○同郷のよしみ
「あなたのふるさとはどこですか?」と尋ねられたら、あなたはどう答えるでしょう。私は一も二もなく「愛媛県双海町」と答えますが、人にはそれぞれ過去の事情があって、自分のふるさとを中々言えない人もいるようです。先日親友でも先輩でもある考える村村長を自称する玉井さんのブログを読んでいたら、そのことが克明に描かれていて納得しながら読みました。
私たちが育った時代は田舎の暮らしが貧乏だったため、都会に出て一旗揚げたいという向都離村の志向が強く、多くの人が一獲千金の夢を持って都会を目指したのです。夢をつかんだ成金の人はふるさとに錦を飾りましたが、それはほんの一握りの人で、殆どの人は慣れない都会の複雑な社会に翻弄されながら生きてきたに違いないのです。中には夢破れて素性を隠して生きてきた人もいるようです。
いわゆる成功した人にも色々な人がいて、ふるのために役に立ちたいという愛郷心の強い人は「ふるさと納税」など何かにつけてふるさとを支援してくれますが、逆に「自分のふるさとなんか糞くらえ」とばかりに、無視する人も沢山いるのです。
一昨日私の所へ一本の電話がかかってきました。今治市菊間町にある日本地下石油備蓄株式会社菊間事業所の取締役事業所長の佐々木克敏さんからでした。佐々木さんはお父さんが旧国鉄の保線区に勤務していたこともあって、お父さんの転勤で双海町上灘で過ごしたのです。双海町で生まれた訳でもないのですからそんなに双海町への愛郷心も義理立てをする必要もないのですが、同郷というだけでひょんなことから私と知り合い、太陽石油に勤務していた頃には講演を依頼されたり、石油関係の全国大会が本町会館であった折にも、並いる石油関係の著名人の前で記念講演までさせてもらいました。
そんな間柄ですから、石油備蓄の事業所長になってからも何かと交流し、政府のお役人を人間牧場まで案内して交友を温めていたものですから、今治や尾道へ行く道すがら備蓄基地の看板を見る度に佐々木さんのことを思い出して通過していました。
(間もなく退任される予定の日本地下石油備蓄株式会社菊間事業所の佐々木所長さん)
佐々木さんは少し体調を崩したため、今月でその大任を勇退されるそうで、その挨拶方々の出会いとなったのです。昨日は愛媛大学法文学部の授業が入っていたため、授業の終わった12時過ぎに大学の正面玄関で落ち合い、全日空ホテルで昼食をご一緒しました。ふるさと双海町を離れて40数年間石油関係一筋に生きてこられた仕事人としてのご努力を讃えながら色々なお話をしました。
下野してもいつまでも付き合いたい人だと思っていますが、私の自著本を3セットもお買い上げいただき、お礼の言葉もありません。この上は早く体調を回復して、余生を趣味の釣りでも楽しみながらのんびりと健康に過ごしてほしいと願っています。そして願わくば人間牧場へもお越しいただいて色々な話がしたいと思いました。
「同郷」という素敵な響きを持ったこの言葉は、私と佐々木さんをつなぐ赤い糸かも知れないのです。
「同郷の よしみ甘えて お付き合い これから先も 同郷変わらず」
「それぞれの 人にそれぞれ 苦労あり だから人生 楽しからずや」
「そういえば 臆目もなしに 頼まれて 並いる著名 前に大ぼら」
「今月で 退任終わり 野に下る 体調整え 余生楽しく」
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若松さん。お元気ですか。ブログに載せていただいてるとは露知らず。御免なさい。ITに掲載されたのは初めてと思いきや・・・あれーまーでした。ここにも6件掲載があり驚きです。便利といえばそうですが・世の中凄い時代と再認識しました。若松さんを見習いボケないようにがんばります。また近いうちにお会いできること楽しみしています。ありがとうございました。