○世界文化遺産姫路城を訪ねる(その①)
私にとって今年はラッキーな年になりました。というのも中国地方にある世界遺産に登録されている広島原爆ドーム、広島安芸の宮島、島根石見銀山に続いて4つ目の姫路城を見学できたからです。前3つは4月に21世紀えひめニューフロンティアグループの仲間とともに訪ねましたが、今回は偶然にも姫路市で講演が予定され、一便早い特急しおかぜに乗ったために予定もしてなかった姫路城見学が小走りながら実現したのです。
私はこれまで何度か姫路を通り、また姫路を訪ねましたが、どういう訳かいつも時間的な制約で素通りして姫路城を見る機会を逸していました。姫路城といえば1993年に法隆寺地域の仏教建築物とともにユネスコの世界遺産委員会で、わが国では初めて世界文化遺産に登録され話題を集めたお城です。
私も仕事がら全国のお城はこれまで沢山見てきましたが、江戸時代初期の荘厳な連立式の天守閣群をはじめとして数多くの建物が築城当時のままの美しい姿で今日まで残る唯一の城として、その普遍的価値が認められたものですが、姫路城が長い歴史の中で一度も戦や災害に遭うことなく奇跡的に生き残っていることは大きな驚きとしか言いようがないのです。
この日はあいにくの雨模様の天気の中傘を差しての見学となりましたが、橋を渡って城内に入る前から威風堂々とした天守閣や白漆喰と瓦、それに石垣が、幾重にも重なり、歩を進めるたびに構図が違って、デジカメはレンズを出したままで雨に濡らしてしまいました。
この日は雨模様のせいか湿度が高く、私は午後に予定されている講演のためスーツ姿で木になるカバンを提げ傘をさしたままの一風変わった出で立ちだったため、外国人観光客から奇異に感じられたのか声をかけられる始末で、起伏に富んだ場内の石段を長々と歩いたため汗びっしょりとなってしまいました。
偶然にも外国人客を案内していた観光ボランティアガイドの説明が遠く近くで聞こえたため、ラッキーな見学となったのです。
見え隠れする天守閣を目当てにい・ろ・は・にと書かれた門をくぐって進むのですが、城郭の広さは予想以上で西の丸・二の丸・三の丸などを巡りながら、天守閣が目の前に近づいてからもまだ敵を欺くための守りでしょうか、入り組んだ迷路のような道が長々と続いていました。
「戦災や 災害合わず この日まで よくぞ往時の 姿とどめて」
「この城が 世界一だと 胸を張る ガイドの自慢 殿様気分」
「表では 殿が造った 城なれど 多くの人が 裏で働く」
「そこここに 可憐な五月 花咲きて 心なごませ 坂を上りぬ」