○梅の処理に翻弄されました
今年は梅が不作だという話を聞きました。普通であれば気にも留めない梅不作の話も、人間牧場に梅林を持っているため少しだけ耳に残っていて、「ひょっとしてわが人間牧場も不作かな」と思ったものです。確かに木によっては全く梅の実がついていない木もありましたが、他の木は平年並みついていて、収穫してみると20キロ入りのキャリーに4箱ですからまずまずでした。ところが昨日人間牧場の草刈りを終えてとり残しの梅を収穫しようと思って梅林に入ったところ、金曜日に時間切れで帰ったため、一本だけ収穫していない木が見つかり、集めるとキャリー1箱もあって、不作どころか合計5箱で豊作だったのです。
ワカメにしろ梅にしろ何でもそうですが、妻が近所の歯科医院へパートで働きに行っているため、自分で取ってきたものは自分で処理して欲しいとの頼みもあって、梅の処理に挑戦しました。縦のものも横にしないかつての私には考えもつかない大変身です。それでも妻は日曜日、塩や砂糖や容器を購入してきて、二人での共同作業となりました。
まず私が梅を桶に入れて、ヘタを取ったりしながら水洗いをしました。ザルに上げて水気を切って少しの間干し、3キロづつ秤にかけてその都度20パーセントの塩を振って付け込んで行くのです。桶は2つ用意しました。ひとつの桶に21キロ入れましたので、今年の梅干しは42キロです。何でこんなにと思われるかも知れませんが、出来あがった梅干しは弁当に欠かせない漁師さんに、お魚をいただくお礼に差し上げるのです。いわば物々交換なのです。何日かしてほどよく梅が漬かったら土用のころの天気の続く日を見計らって土用干しをして本格的に漬け込むのです。
梅干しは比較的単純な作業ですし塩も安いのですが、問題は梅酒です。まず容器を用意するため昨年付け込んだ梅酒のビンから梅酒を一升瓶に移す作業をしなければならないのです。予め用意していた一升瓶はとりあえず10本余り、それにワインの瓶や二合瓶などありとあらゆるビンに移し替えました。今年も甘酸っぱい梅酒が沢山取れました。8Lのビン一本で2升くらい取れるので一升瓶換算すると14本も取れました。妻はその一升瓶にガムテープを貼り「21年」とマジックで書いて記憶させました。
さあ残りの梅を梅干しと同じように綺麗に洗って水気とヘタをとり、8Lビンに3キロづつ砂糖と一緒に入れ、梅酒を作るのです。梅3キロに砂糖を2キロ半にして、ビンの中へ入れるのですが、これが中々上手く入らず一苦労です。それでも今年も10本近くのビンに醸造しました。普通梅酒といえばホワイトリカーを使って作るのですが、酒を飲まなくなったこともあり、また人間牧場へ訪ねてくる人たちのためにホワイトリカーは使わずノンアルコールの梅ジュースなのです。
夏になると妻がこの梅酒を水で割って冷蔵庫でシャーベット状にして食べたり飲んだりしますが、梅酒は胃腸にもよく愛飲しているのです。昨晩梅酒を絞った後の梅を食べたり、その梅でジャムを作ってみました。今朝はご飯だったので試食はしていませんが、パンにつけて食べてみたいと思っています。
私の夢は梅酒のレッテルを作ってビンに貼り、人間牧場産梅酒として販売したり(買う人はいないかも)仲間たちにおすそ分けしたいと思っています。
今年も梅の処理に翻弄され少し疲れました。でも残った梅は親類におすそ分けしてほどよい疲れでした。
「百キロの 梅を見ながら ため息が 今年も牧場 梅は豊作」
「梅干しも 梅酒も手間を かけるから 食卓飾る 脇役なりぬ」
「梅に雨 梅雨だというのに 雨降らず 天を見上げて 恨めしなりぬ」
「地下室に 一年寝かせた 梅酒出し ビンに詰め替え 味見しながら」