○味生地区健康づくり講座
講座の始まる時間を逆算し朝少し早く家を出た私は二件の用事を済ませました。一件は双海町内の女性が73歳で亡くなり、今日がお葬式ということを新聞のお悔やみ欄で見つけたため、葬式と講座がバッティングしたので香典を届けにました。11時からの葬儀だそうで葬祭センターの控え室で痩せこけた遺体に面会して線香を手向けおいとましました。続いてもう一件は道沿いにはないのですが少し遠回りして、若い頃にしょっちゅう通った龍華堂という印刷屋さんへ立ち寄りました。社長も奥さんも娘さんもいて久しぶりに旧交を温めました。社長も奥さんは高齢になられ、奥さんはこれからデイサービスに行くのだという矢先でしたが、懐かしく会話を交わしました。朝の二件は少し考えさせられる出来事でした。
昨日は松山市味生地区健康づくり講座に行きました。松山には中学校区毎に沢山の立派な公民館があって、一つの校区が一つの市町村程もある人口を抱えていて、田舎では人口が激減して限界集落などが取りざたされる中、今更ながら地方都市への人口集中に驚いたりするのです。
この日の講座は松山市地域保健推進協力会という、保健所関連の団体が主催でした。3月7日、秋田県能代市へ向う途中の列車の中で、味生地区理事を務める藤崎さんから依頼の電話がありました。運良く木になるカバンの中に予定表を持ち合わせていたので、まだ先のことだと思いつつ、猛吹雪を列車の窓越しに見ながら受諾していたのです。味生公民館へは2年前にも行っているので、土地勘も集まる人のレベルも幾分分っているので安心して出かけました。
玄関で藤崎さんが待って出迎えていただき、公民館の事務所でお茶をいただきながら「東北への旅先までお電話で追いかけ恐縮しました」と詫びる藤崎さんを交え館長さん、事務員さんと楽しいおしゃべりをしました。
会場へ入ってまず一番前の席に顔見知りの人がいるのに驚きました。元松山工業高校の校長をしていた林さんご夫妻です。奥さんには初めてお目にかかりましたが、林先生とは今も工業高校の学校評議員をしていて、年に2回はお会いするのですが。昔と殆ど変わらず笑顔を絶やさないお人柄なのです。先生が教頭、校長と同じ松山工業高校に勤務していた折、私はPTAの会長をしたため、深いご縁をいただいているのです。
満席に近い会場には林先生以外にも何人か会釈や手を振っていただく顔見知りの人がいて、これはヤバイと思いましたが、後には引けず力を入れてお話しました。
最近ライフプランの話をして欲しいという要望が強くなってきました。私もライフプランやその中心をなすライフサイクルの話には一言を持って生きてきたため、得意な分野だと思っています。夢や目標を持ってニコニコ・ピンピン・コロリンシャと生きて欲しいとお話しました。
いやあ会場は大受けで2時間近くも話したのに寝る人もなくみんな楽しく聞いていただきました。この日の講座には保健関係の仕事をしている3人の若い女性や保健所の人もいましたが、殆どの人が熟年・実年の人で、金・暇を持って有意義に毎日を学びながら生きている人たちです。私もやがて行く道でしょうが、このように笑って人生を過ごしたいと思いました。
講座が終り林先生は控え室まで訪ねてきてお話をしてくれました。有り難いことです。
「朝二件 用事を済ませ 思うこと 老いは側まで 近づきつつあり」
「お話を 聞きたいいいつ 前の席 仲良く座る 元付く校長」
「三十分 限度の人に 二時間も しかし寝ないで みんな熱心」
「今日もまた かくてありなん 明日もまた 行脚続けて 辻説法を」