shin-1さんの日記

○九州ぶらり見て歩き①長崎県長崎市編

 今回の旅の目的地は長崎なのですが、九州への第一歩が小倉港だったので、早朝5時に駅前の歩く歩道を歩いて小倉駅に着き、特急に乗り込みました。早朝5時40分発といっても外はもう明るくて、スペースワールドを列車が通過する頃には、スペースシャトルに朝日が輝いてまるで手塚治の漫画の未来世界のようでした。

 長崎へは福岡県、佐賀県、長崎県の三県をを走らなければなりません。すべての旅の基点となる博多から特急白いカモメに乗り込みました。車窓にはお国自慢の風景が広がり、飽きずに眺めることが出来ますが、佐賀平野の今頃は麦秋の頃で、何処までも黄金色の小麦や大麦の畑が広がって、これまた素敵な田園風景です。

 白いカモメは有明海沿線を走り諫早からは長崎って感じになります。長崎は長崎本線の終着駅でもあり始発駅でもあるのです。四国にもよく似た駅で宇和島がありますが、どこか始発駅や終着駅はどこか郷愁があって歌や絵になる光景です。長崎は離党や半島も多く、下車した人はそれぞれの目的地を目指すのです。

 駅の構内語朱印船の大きな模型が展示されていて、列車を降りるなり旅人の心を異国情緒で迎えてくれるのです。とっさに長崎といえば出島・坂本龍馬・キリシタン・グラバー亭・浦上天主堂・平和の像、眼鏡橋、港町などが頭に浮かんできました。福岡博多も色々な異国情緒が見ることが出来ますが、長崎は徳川時代の鎖国の時代さえ開国していたのですから、日本の夜明けは長崎から始まったといっても決して過言ではありません。

 長崎には路面電車が走っています。坊ちゃん列車などの路面電車が走る松山近くに住んでいるとさしてめずらしくありませんが、一回100円の安さや、古い電車にレトロを感じました。電車に乗って面白いのは駅の名前で、市民の暮しが息づいているようでした。公会堂前、眼鏡橋駅など、観光客には有り難い一目瞭然の名前です。

 眼鏡橋は水辺に下りて散策出来るよう遊歩道が整備されています。川上・橋下・川下と見る場所によってその趣が違います。この日は太陽光線の関係で川下からの眺めがいいようでした。川岸には柳の木が若芽を茂らせて見事でした。今ならいざ知らず、昔の人の高い土木技術の腕が光る建築物には脱帽するしかありません。

 眼鏡橋のたもとで坂本竜馬の銅像を見つけ、同じ四国人として嬉しくなりました。坂本龍馬にとっても長崎は縁の深い土地です。海援隊など、海人として大活躍をしました。沿道にはそろそろ咲こうとしているアジサイの蕾が控え目に演出をしていました。道端にはこのようにちょっと注意をして見ると幾らでも歴史の散策が出来るのです。

 再び大通りに出て路面電車に乗りました。長崎は坂の街です。電車を大浦下で降りて少し歩くと大浦天主堂へ続く坂道があり、両側には長崎カステラ、ビードロおもちゃ、ステンドグラスなどを売ってるお店が立ち並び、修学旅行やツアー客がひっきりなしに坂を登ったり、お土産屋に立ち寄って冷やかしていました。坂下には長崎湾が見えました。

 坂の上には有名な浦上天主堂があり、五月の青い空に美しく聳えていました。中を見学したかったのですが、あいにく団体客が沢山いて込み合っていて、何度か訪ねたことがあるので素通りです。それにしても長崎には教会がよく似合います。鈍い教会の鐘の音も異国情緒を存分に引き立ててくれました。

 教会の直ぐ横の坂道を進むと、長崎湾を一望できるグラバー亭がありました。管理の行き届いた園内は緑が一際美しく、見学や散策には今が一番いい季節かもしれません。ここで偶然にも愛媛県の知人に出会い、「若松さん」と声をかけられびっくりです。何とも羨ましくも微笑ましい夫婦での退職記念旅行だそうです。

 オランダ坂などを横目で見て写真に収めながら中華街へ出ました。入口には韓国などの街角でよく見かける寺院風瓦屋根の公園があり、近所のお年寄りがたむろして休憩していました。荷物を持っての散策なので少し汗ばみ、休憩しながら古老にその来歴を聞きました。長崎のお年寄も元気で人なつっこい人たちばかりでした。

 中華街の入口横で珍しい看板の薬屋さんを発見しました。町並み散策の達人である岡崎さんに見せてやりたいような立派な構えです。どんな意味があるのか分りませんが大きな釣鐘が軒先に半分吊るしてあり、下には飛行機の木製プロペラです。これだけの店構えですからかなり老舗なのでしょう。昔の店の様子も写真で紹介していました。これも長崎の鐘です。

 列車の時間が近づいたので、急いで中華街を歩きました。買い物や食べ歩きは今度妻を連れてきた時に取って置きたいと思いつつ急ぎ足で歩き、長崎駅から佐世保行きの快速列車に乗り込み、旅の目的地である大村駅を目指しました。

  「急ぎ足 長崎の街 ぶらぶらと 異国情緒を カメラに収め」

  「念願の 眼鏡の橋を 見るために 左右上下へ 自分が動き」

  「入梅を 間近に感じ 汗を拭く 休んで行けと 古老声かけ」

  「旅先で 声をかけられ 話し込む リタイアしたと 初々しくも」 

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shin-1さんの日記

○長崎から帰って一日遅れの新聞を読む

 急ぐ旅でもないので、ゆっくりのんびりを決め込み、日曜日の夜急な思いつきで松山~小倉航路を選び博多経由で長崎入りし、講演会場となった大村まで引き返し、再び諫早~博多を経て再び小倉~松山航路で帰ったため、研修施設一泊、船内二泊の長旅となってしまいました。それでものんびりゆっくり駅弁を食べながら過ごすひとり旅に満足して五月を締めくくれそうです。

 今回は旅をする前に立ち寄った娘の家で孫朋樹君が「おじいちゃん、旅行に行くんだったら雨が降らんように照る照る坊主を持っていったら」とティッシュをゴム輪で丸め、ボールペンで顔を書いただけの簡単な人形を手渡されました。孫のそのおまじないが当ったのかこの二日間は快晴で、汗を拭きながらの旅となりました。

 その旅すがら諫早を通り越して長崎に着き、街中を歩いていて偶然にも長崎地裁の前を通りかかったのです。何やら物々しい報道陣の多さに一瞬驚きましたが、「ああ今日は長崎市長射殺事件の判決の日か」と、改めて事件のことを思い出しました。昨年4月17日午後8時前、JR長崎駅前で選挙運動中だった同市の伊藤一長市長が暴力団幹部城尾哲弥被告に射殺された事件は銃犯罪の恐怖を社会に震撼させました。特に原爆被爆地長崎の代表として、国内外で平和を訴えてきた現職市長が銃撃された事件は社会に大きな衝撃を与え、暴力団による銃犯罪の厳罰化を求める世論の注目する判決でした。

 私はその後、諫早を経由して大村市に入り、長崎県教育センターで講演に臨んで一泊したため、新聞もテレビもシャットアウトされた生活をしていたので、裁判の行方が気になりながら、今朝まで被告に死刑が言い渡されたことを知らなかったのです。

 今朝、一日遅れの地元紙愛媛新聞に目を通しました。偶然にも通りかかった長崎地裁での判決が一面、五面、七面に詳しく載っていました。

 新聞によると判決骨子はおおよそ次の5つだったようです。

 ①被告を死刑に処する

 ②被害者の当選を阻止して力を誇示しようと犯行に及び、計画的で殺意は強固

 ③行政対象暴力として類例がなく極めて悪質

 ④暴力で選挙の自由を著しく妨害し、民主主義社会において許し難い

 ⑤刑事責任は重大で、被害者が1人だとしても極刑を科すことはやむを得ない

 たった一日なのに、国内外では様々な出来事があったようです。特に地震による死者の数が6万5千人を上回った四川大地震では川の上流にできた土砂ダムが決壊する恐れがあり、ダムから排水するため、重機や爆薬で土砂を取り除く緊急作業に着手したことを新華社が伝えており、決壊なら130万人が避難しなければならないというのです。降って湧いた四川大地震は、北京オリンピックの開催を目前に控えた時期だけに頭の痛い話のようです。既に日本でも赤十字を通じて様々な救援の手が差し伸べられていますが、救援物資に対して疑惑が次々出ているのも中国らしいと思いました

 今朝からまた元の暮しに戻りますが、長崎での時差ぼけは今日一日続きそうです。

  「偶然に 通りかかった 地裁前 死刑判決 知らずに通過」

  「新聞も テレビもなくて のんびりと 過ごしたつもり 実は大ボケ」

  「孫くれた 照る照る坊主の 人形が 効いたか天気 汗ばむ陽気」

  「のんびりと 駅弁広げ 窓越しに 諫早湾の 潮の満ち引き」 



 

 

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