shin-1さんの日記

○雨の中のサツマイモ植え・その②

 本当は草を取って畑を耕す作業から子どもたちにやらせたかったのですが、雨の影響で3時間のプログラムでは無理なので、数日前耕運機で耕し、昨日畝立てを事務局職員がやってくれていました。予想通り雨が降ったためお陰で大助かりです。

 子どもたちはイノシシ除けの空き缶作りと畑へマルチシートを被せる2班に分かれて作業をしました。ロケ風呂の下の畑に集まった子どもたちは一班2畝の割り当てで作業をしました。その頃から濃い霧が出て畑の隅に立っている杉の木さえも霧に隠れるほども、まさに五里霧中といったところです。

(人間牧場は完全に霧に包まれ司会は100メートルという幻想的な雰囲気でした)
(あらかじめ作っておいた畝に黒いビニールシートのマルチをかける作業をしている子どもたち)
(みんな思い思いながら一生懸命働いていました)

 こうしてマルチをかけると草が押さえられ除草の手間が省けるだでなく、余分な水分が入らないため美味しいサツマイモが出来るのです。この作業は久保さんや小谷さんといった農家のおばちゃんが意外なリーダーシップを発揮します。田舎の言葉で子どもたちの作業を指導するこの姿こそまさに生きる力の伝授なのです。

 やがてマルチの被覆もできて、みんなでツルを植える作業を始めました。マルチに穴を開けながら手スコップで穴を掘りツルを埋めるのですが、子どもにとってはツルのどの部分を土の中へ入れればいいのか分らず、逆に差し込んでおばちゃんに叱られた子どももいました。

(ロケ風呂の押し上げ窓が、まるで口を開けたマンモスのようだと子どもが表現する人間牧場の農場で作業する子どもたち)
(全員で芋ツルを植える作業風景)

 段取り八分というけれど、かなり速いペースで作業が進みました。これも事務局の皆さんの三年間の積み重ねなのでしょう。最後の仕上げはイノシシとの戦いです。知恵の網とでもいうべき漁師さんからもらった網をみんなで周りに張り巡らす作業をしました。鉄筋杭を打ち込み、網を広げて鉄筋に縛りつけ囲いをするのです。

(網張り作業)
(イノシシに壊されないようにとの願いで空き缶も随分沢山吊り下げました)


 さあ完成です。去年の経験だと多分これで大丈夫です。これから夏の暑い季節に草を刈ったり引いたりしながら肥培管理をして秋の収穫を迎えるのですが、子どもたちの頭の中にはどんな夢が広がってることでしょう。

 作業に使った道具類をまとめて片付け子どもたちに足湯のサービスです。正直泥まみれになって汚れた子どもたちには床を汚すため入って欲しくはないのですが、これも私の修行と位置づけているため、後日雑巾がけを小まめにして掃除をしようと諦めているのです。


 一組9人から10人にして五右衛門風呂で足湯のサービスです。風呂釜の周りに車座になって足を入れて座るのです。いやあ驚きました。子どもたちは大満足でVサインを出してくれました。「進ちゃん、いい湯だねえ」とか、「足がポカポカ、心もポカポカ」「今度はお風呂に入りたい」などとまるで大人のような感想を言うのです。これまで2回は足湯のサービスを行っていないため、子どもたちにとっては初めての体験だけに思い出に残ったことでしょう。家に帰ると妻に近所の人が、「今日は孫が足湯のサービスを受けてとても嬉しかった」と報告があったそうです。ロケ風呂の思わぬ反響に、今度は天気のよい豊田漁港の眺望が開ける日に是非入浴させてやりたいものです。

 今年も少年少女おもしろ教室は無事始まりました。ふるさと教育んp必要性を日頃から提唱する私はこの日、子どもたちにハーモニカで「みかんの花咲く丘」という曲を吹いてやりました。人間牧場周辺は今みかんの花の甘い香りに包まれています。

  「足湯する 幸せそうな 顔を見て こちらも嬉し 心ウキウキ」

  「一日で 牧場まるで 泥だらけ これも修行と 雑巾かけぬ」

  「この秋は イノシシに勝ち 収穫が できるだろうと 網張り万全」

  「おばちゃんが 一番力 発揮する 生きる力は 凄いものです」

 

 

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shin-1さんの日記

○雨の中のサツマイモ植え・その①

 「明日は雨のようですが、日程も詰まっていて中止にすることが出来ないので少々の雨だったら決行します。私は晴れ男なんですがねえ」と、前日少年少女おもしろ教室事務局の岡市さんから会議先へ電話がかかってきました。これまで様々な屋外事業を経験し、雨や風を心配し雨風と戦ってきた私としてはさして気にもせず、「雨は恵みの雨ですから」と強がって見せました。

 昨日の朝は起きて外へ出てみると空はどんより曇り、今にも降り出しそうな雲行きです。そのうち雨足のかなり強い雨が降り出し最悪の様相です。でも子どもたちが楽しみにしている、少年少女おもしろ教室の第一回目のプログラムなので、実行委員長の私としては決断し実行しなければならないのです。車に妻の用意した長靴、雨合羽などとともに、終われば直ぐに西予市野村町で行われる講演会に参加しなければならないので、革靴、背広、ネクタイ、木になるカバンなどの講演道具もアンバランスだと思いながら積み込み、午前7時30分にわが家を出発しました。市役所支所の前には既に子どもを乗せるマイクロバスが到着していて、小学校の校長先生初めスタッフ方々が集まっていました。

 国道から人間牧場に通じる細い山道に入ると、霧が出てきて夏草茂る道は幻想的な雰囲気に包まれていました。人間牧場に到着して水平線の家の鍵を開け、ロケ風呂の玄関や窓を押し上げ五右衛門風呂のボイラースイッチを入れて、風呂の準備をしました。サツマイモを植えた後で足湯のサービスをしてやりたいと思ったからです。風呂の蛇口をひねってから足早にサツマイモの苗床へ向いました。岡市さんが昨日準備に来たはずなのにサツマイモの補充ツルが何処にも見当たらないので、携帯で電話連絡したところ「苗床のツルだけでやりたい」というのです。はてさて苗床のツルだけでは足りるかどうか不安になりました。それでももう間に合わないのでツルを取る作業にかかりました。31人の子どもに一人5本はないと足らないし、指導者の分も入れると200本は必要なのです。益々不安になり、取ったツルを短く切り分けて行きました。

(苗床に元気よく伸びたイモヅル)

 やがて子どもたちが元気に走って山道を下りてきました。今年の子どもたちも元気いっぱいです。雨が止み子どもたちの雨具もこの分だと必要ないかもしれないと思いつつ、荷物を置かせて室内とウッドデッキを使って開会式を行いました。

(開会式)
(子どもたちの班別会議)

(班別会議でそれぞれの役割を決めてゆきます)


 開会式の後、人間牧場主である私の話を30分ほどみんなにしました。今年のサツマイモ作りは昨年収穫した種芋を使い命のリレープロジェクトとして実施していること、あわせて行った落ち葉を集めた腐葉土作りで種芋からツルが伸びて何とか今日に間に合ったこと、このツルからどんな芋が出来るか夢があることなどを話すと同時に、馬路村産の魚梁瀬杉の切り株の話や雨が海の恵みをもたらすことなどの環境についても踏み込んだ話をしてやりました。さあ、準備も整っていよいよサツマイモのツル植え作業が始まりました。

(木曽さんの説明を聞きながら芋ツルの不思議を学びました)

 まずみんなを苗床に集め、木曽さんがサツマイモの種芋を引き抜いて芽が出るメカニズムを分りやすく説明してくれました。そして子どもたちは恐る恐るツルを一本一本切り取ってゆきました。市販のツルよりはるかに細く果して活着するかどうか不安ですが、それでもどうにか人数分200本のツルをやっと確保しました。

(切取られた芋ツル)

 「心配の 雨もどうにか 味方して 命のリレー ついに実現」

 「二百本 どうにか確保 最初から ハラハラしつつ ハサミ動かす」

 「苗床を 使ってカブト 虫を飼う 子ども注目 次の目論見」

 「私にも できる奉仕と おばさんが 集まり支援 今年も嬉し」

 

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