shin-1さんの日記

○風評被害は恐ろしい

 豚インフルエンザは震源地のメキシコで死者が沢山出たものの、病気自体は今のところ弱毒性のようで、少し安心した政府も市町村もガードを低くして、臨時休校措置などを次々に解除しています。というのも近畿圏に集中した発症によって、近畿圏への修学旅行の中止や延期が相次ぎ、加えて風評被害へと発展しているのです。ただでさえ不景気な国内事情に加え、旅行や出張をキャンセルされるともうお手上げで、観光業者の中には倒産まで出るという厳しさです。

 日本人は風評に弱い国民だと言われています。つまり誰かが言ったことが良かれ悪かれ次々と伝わりとんでもない根も葉もない話に発展するのです。それは多分風見鶏的な集団行動の性格が強く、自分の考えをしっかりと持たずに生きているからかで、風向きを見て都合のいい方についてしまうのです。人の目を気にする人は案外多く、私も随分それらのうわさ話に悩まされました。

 不快感の法則と感動の法則というのがあります。広島県瀬戸田町(今は尾道市)の和気元町長さんから聞いた話ですが、不快感というのは1人→10人→7人→3人と広がりを見せ、結局210人に広がって終息を見るのだそうです。例えばどこかの観光地の公衆トイレが汚なかったとします。それを感じた人は自分の身の回りの人10人に「○○のトイレは汚かった」というのです。その10人は自分の周りの人に「○○さんから聞いた話だが、○○のトイレは汚くて鼻もちにならない。行かない方がいい」と言い出すのです。そして極めつけは7人の人が周りの人3人に「あそこのトイレは日本一汚いので絶対行かないようにすべきだ」と言いふらされ風評被害はピークに達して終息を見るのですが、レクリェーションでよくやる電信ゲームとどこか似ているのです。1チーム10人ずつのチームを作り、少し短めの同じ文章を最初の人に耳元で伝え記憶させます。それをやはり次の人に伝えて行くのですが、最初の文章は人間の耳から聞き記憶させて次に伝えるのですが、何と不正確なことか、それを最後にみんなで発表して種明かしして大爆笑となるのですが、風評被害となるとこんな爆笑では済まされないのです。

 不快感の法則に対し感動の法則は中々伝わらないもので、1人→7人→5人→2人と広がりを見せるものの不快感の法則ほど広がらず、70人で終息します。例えば1人の人が双海町の夕日を見て感動すると、その人は周りの7人に感動したことを伝えます。するとその7人はそれぞれ周りの人5人に「夕日がとてもきれいだった。あなたも行ってみたら」と伝えるのです。さらにその人たちはそれぞれが2人に「双海の夕日は日本一」と持ち上げ終息するのです。結局その数は70人で不快感の法則の3分の1なのです。

 私は道の駅の整備から運営に長らく携わってきましたが、不快感の法則によって風評被害を被ったことも何度かありました。しかし風評被害をまき散らす人たちは裏を返せば風評効果を生む人であることを知ってからは、随分戦略が立ちやすくなって、風評効果で自称日本一の夕日を作り上げてきたのです。

 風評被害はいつの間にか消えますがそれを待つだけでは被害甚大で足腰が立たなくなります。一早く風評効果の情報を流して風評被害を食い止めることが肝心です。風評被害を出す人も風評効果を生む人も実は同じであることを肝に銘じるべきなのです。

 消費者100人を分類すると本物消費者5%(いくら高くても本物を買う)、学習消費者15%(学習して自分に得なものを買う)、普通消費者50%(流行に流されて買う)、無意識消費者25%(安いものばかりを買う)、風評被害をまき散らすのは普通消費者50%、つまり2人に1人いることを忘れないようにしたいものです。


  「不快感 伝わり易く 感動は 伝わりにくい ジレンマしきり」

  「インフルは 風評被害 深刻だ マスク業界 無口で笑う」

  「風評の 被害出す人 いるものの 風評効果 出す人同じ」

  「いつの世も 真実一つ コナン言う 何が本当か 心眼見抜く」  

 

[ この記事をシェアする ]

“shin-1さんの日記” への2件の返信

  1. SECRET: 0
    PASS:
    >ramchansさん
    コメントありがとうございました。
    岩国へは日帰りだったため、朝早く出て夕方遅くまるでとんぼ帰りでした。
    皆さん熱心に聞いていただき、ほのぼのとした気持ちで帰郷しました。
    いつかまた出会えるといいですね。
    岩国はいい街です。
    特に錦帯橋は大好きです。
      人間牧場主 若松進一

  2. SECRET: 0
    PASS:
    はじめまして。
    先日、山口での講演会に参加したものです。
    講演会は居眠りする暇もなく、とてもおもしろく、温かく、心に響くものでした。ありがとうございました。
    帰ってからは毎日ブログを読ませていただいています。
    6年生の女の子と3年生の男の子がおります。
    子供のことや夫婦のこと、自分のことで悩むことも多々。
    エネルギッシュなshin-1さんのブログを読むと、前へ進まなくては!と思います。

コメントは受け付けていません。