○高知へ坂本龍馬に会いに行きました①
毎年新年元旦、高知県桂浜にある坂本龍馬の銅像とともに初日の出を迎えるほど坂本龍馬に憧れている長男から、数日前「連休に坂本龍馬に会いに行かないか」と誘われました。生きている人ならいざ知らず100年以上も前になくなっている歴史上の人物に「会いに行こう」とは仰々しいと思いつつも、息子同様坂本龍馬の生き方に強い関心を持って生きてきた私も、心情をくすぐられた感じで一も二もなく「行こう」という事になったのです。わが妻と息子の嫁には「高知の日曜市に行く」という口実を作って納得させ、同行する事になりました。
息子夫婦には昨年8月31日に子供が生まれました。私たち夫婦にとっては孫なのですが、誕生以来8ヶ月が過ぎ、人の顔が分るようになってきました。しかしこの孫は人見知りが激しく、たまに会う私などは孫にとって毛嫌いの対象と思われるように、顔を見ただけで辺りかまわずワンワン泣き散らすのです。嫁の実家が経営している喫茶店の近くに住んでいて、実家の両親は毎日顔を合わせているため慣れて泣かないのだそうです。痩せても枯れても若松家の跡取りなので、これは困ると嫁も気を使ったのでしょうか、今月は初節句などの催しもあることから、5月を「孫の人見知り解消月間?」と定めているらしく、今回の家族小旅行と相なったようで、その出汁に坂本龍馬は使われたようです。
前日の夜から泊り込みでやって来た息子夫婦と相談し行きは国道33号線を通ってのんびり旅、そして車は2台用意すること、帰りは高速道路を使って帰ることなどを粗方決めて少し早めの6時半に出発する事にしました。高速道路時代なのでしょうか、早朝の33号線はいつも以上に空いていて、途中おむつ交換などに時々立ち寄っても3時間弱で耕地へ到着するのですから驚きました。沿線にはシイや樫の木の芽吹きの頃なので、山が黄金に輝いてそれは見事な景色でした。久しぶりの33号線沿線にはかつて訪ねた思い出の足跡が沢山あって、その都度横の助手席に座っている妻に話しをしてやるのですが、どちらかというと車に弱い妻はウトウトで余り真剣に私の話しを聞いていないようでした。
カーナビがなくても高知の道は知り尽くしているのですが、私が先導をつとめ息子の車が後に続きました。今は携帯電話のお陰で迷うこともなくつかず離れずの車2台の旅となりました。
高知市内は日曜市が開かれているとあってかなり混雑していました。高知城近くの駐車場はかなり混雑していていましたが、信号待ちの間に妻が空いた駐車場を見つけてくれたお陰でスムースに駐車できて、いよいよ街歩きです。
全国的に見ても規模的に高知の朝一はナンバーワンだと思います。広い大通りにはこれでもかというように小さなお店が軒を連ねて、観光客もかなり多くて歩くのがやっとの賑わいでした。売っているものは旬の野菜や果物が殆どで、苗物、食べ物、飲み物が200~300円の格安で求められました。特にフルーツトマトが人気で一個100円以上もする小ぶりのトマトが沢山並んでいました。冷したトマトを買って食べてみましたが、トマトの常識を破るような美味しさなのです。
孫をベビーカーに乗せ、息子はビデオカメラを片手に歩きましたが、途中むづがる孫を抱っこして、夏を思わせるような陽気の中を汗だくで歩きました。
妻と嫁の買い物につき合わされ、小さなビニール袋がどんどん増えて行きます。それをベビーカーに乗せて運ぶのですが、妻と嫁が別々に買っても同じようなものばかしで、呆れた口を塞ぎながら楽しく買い物を終えました。昼食は近くの食堂へ入りましたが、あいにくの満席で30分ほど待ってお目当てのカツオのタタキ、鯨の刺身、マグロのづけなどを堪能するほど食べました。普通は気になるニンニクのスライスも、みんなが食べるので気にならない様子でした。
「顔見知り する孫一緒 小旅行 少しは馴れて おついしょ笑い」
「妻と嫁 同じようなる 物を買う 少し親子の 義理張り解けて」
「今は何処 ひっきりなしに 携帯で 居場所言い合う 迷子にならず」
「風誘う 木々の新緑 深呼吸 いつか訪ねた 山里走る」