shin-1さんの日記

○尾道老人大学に招かれて

 今日の本当の尾道行きの目的は尾道市社会福祉協議会から頼まれた尾道老人大学の講演です。市役所の横にある公会堂でありました。前日担当者からメールが入り、9時半頃には来て欲しい旨の連絡でしたので、きっかりに到着しました。前触れもなく朝降った雨の影響が心配されましたが、沢山の人が詰め掛けていました。

 少し時間があったのでそこら辺を散歩したりして時間調整、いよいよ10時から「あなたの力が地域力」という演題で90分間お話をさせてもらいました。

(講演が終わった瞬間の司会者がお礼の言葉を言っている時にパチリと一枚会場の様子を撮りました(

 高齢化時代になりましたが、高齢者には色々なタイプがあるようです。年金に甘んじ暇と金を使って遊び三昧をする人たち、少しでも社会のお役に立ちたいとボランティア活動にいそしむ人たち、ただ何もせず病院通いや日向ぼっこしてボサーと一日を過ごすだけの人たち、学習に余念がない人たち、これでもかと一生懸命金儲けをしているひとたちなどなど様々です。どの生き方が理想かは分りませんが、少なくともボサーとただ何となく生きている人だけにはなって欲しくないものです。

 私は日頃から「ニコニコ、ピンピン、コロリンシャン」という生き方を提唱しています。今日もその話をしました。みんな大爆笑でしたが、さて高齢化時代の余命をどう生きるか、これまでは人のことだと思っていましたが、そろそろ私も自分のこととして捉えなければならない年齢になりつつあるようです。

 私は現在63歳です。今日集まっていた高齢者から比べると羨ましい若さなのですが、あと20年余りの仕上げの人生をもっとニコニコ、ピンピン生きたいと思っています。そのためには少し運動が不足しているようです。人に合い、知らない所を旅し、勉学にもそれなりにいそしんでいます。故に頭はボケないのですが、ぎっくり腰になったりして老化の兆しが少しずつ見え隠れしています。体の健康なしに心の健康、頭の健康はないと思い、このところ暇さえあれば体を動かすことをやっています。ぎっくり腰予防のために家の鉄棒にすがることも思いつきました。今はひょっとしたら今年90歳になる親父より持久力などの体力はないのかも知れないと思うのです。

 帰り際、おばあちゃん軍団が入口で待っていて、「今日はええ話を聞いた」「ハガキを出したいので名前を書いて欲しい」「サインをして欲しい」などというのです。何枚か名刺を差し上げましたが、それを見た人たちが群がってきて、名刺が足らなくなってしまい慌てて外へ出ました。えらい反響でした。

 帰る頃尾道中央公民館の旧友金本さんから電話が入り、夏に予定されている私の落伍会の打ち合わせに公会堂までやって来ました。彼は先日人間牧場へやって来ましたが、日本でも数少ないやる気のある公民館人のひとりです。彼に合うとどことなく元気が出ます。若かったころの私を見ているような気持ちになるのです。お盆上がりの8月19日の再会が楽しみです。

  「大学と いいつつ今日は 老人に ゆっくり口調で 楽しい話」

  「行く所 よくもあるもの 感心し 早く帰れと 送り出す妻」

  「入口で まるでアイドル サイン書け 囲まれ名刺 足らなくなりて」

  「人ごとと 笑い転げて いたものの 気が付きゃ俺も そろそろ初老」 




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shin-1さんの日記

○坂の街尾道へ①

 このところお天気が安定せず、まるで春先のように足繁く雨が降ります。旅に出る機会の多い私としては、せっかく訪問するのだから、天気ぐらいには恵まれたいと思うのですが、先週土曜日の香川県高松市も、今日の広島県尾道市もあいにくの雨にたたられてしまいました。雨が降ると道中の車の運転が「熟年暴走族」を自認するする夫のため危ないと妻が心配します。また今日のように出がけに雨が降ると参加者の出鼻を挫かれ人の集まりが今いちという不安もあります。まあ天気がいいに越したことはありませんが、こればかりは幾ら考えてもどうにもならないことなので、あまり考えないようにしているのです。

 今日は天気予報ではまずまずでしたが、降水確率が高いので、早目に出で尾道の街を散策しようと意気込み、妻に頼んで目覚まし時計を午前4時にセットしました。今は夜明けも5時15分頃なので早立ちといってもそんなに早くもなく、予定通り目覚めたので早速出発をしました。こんな時妻は私の好物であるリンゴを一個皮を剥いてタッパに入れて、凍らせたお茶かホットなウコン茶を持たせてくれます。

 朝早いこともあって松山~北条~今治の道を選び、しまなみ海道は今治北インターから乗りました。来島大橋に差し掛かった時、雲を押し上げるようにして朝日が昇り始めました。交通量も殆どないため手元に置いていたカメラでちゃっかり朝日が端の向こうから昇るのを撮りました。まるで夕日のようでした。

(来島海峡大橋)

(来島海峡大橋に昇る朝日)

 久しぶりのしまなみ海道を島伝いに走り、サービスエリアでトイレ休憩をしながらのんびりと一人ドライブを楽しみましたが、家を出てから僅か2時間半足らずで尾道の街に到着しました。早くも小雨がポロポロし始めましたが濡れるほどではないので、千光寺への看板を目印に坂道を登り、駐車場に車を止めて小道を一人歩きました。早朝の散歩を楽しむ人たちも片手に傘を持っていて、雨が近いことを感じさせました。

 やがて根石の側面に刻まれた色々な文字が見えてきました。文学の道、思惑の道とでもいうべき看板も見られ、それらに目をやりながら歩きましたが、残念ながら凡人の私には崩しているうえ難しすぎて解読することもできず、ただカメラに収めるのがやっとの状態でした。

(梵字の刻印)
(頼山陽作の漢詩)
(漢詩の説明書)

 やがて千光寺まで到着しましたが、幾多の文人に愛されてきた尾道海峡の朝の眺めは最高でした。

(尾道の朝の風景)

(本堂付近)
(山門入口の三重岩)

 早朝ゆえに参拝客も殆どいませんでしたが、地元のおばちゃんが背広を着てネクタイを締めている私を見て、千光寺の裏山に最近出来た小石鎚山に登らないか勧めてくれました。私が腕っ節が強く男前に見えたのでしょう。それからが大変です。私は完全にそのおばちゃんのサポーター役に変身です。手を引っ張り足を鎖に乗せてあげたり、それは大変でした。それでも急峻な小石鎚に登って「絶景かな」を連発しました。可愛らしい60がらみのおばちゃんでしたが、後腐れなく別れました。
(鎖も用意されている小石鎚山)

 今日は朝からいい体験をしました。私の朝の万歩計は5235歩も歩いていました。お陰様で少し汗ばみました。

  「千光寺 お参りしたくて 朝早く しまなみ走り 坂を登りぬ」

  「文人が 愛した坂街 尾道を 下界に望み 深呼吸する」

  「頼陽の 漢詩刻みし 石壁を 読むことできず しばし対峙す」

  「安心の 顔と思った おばちゃんと 手に手をとりて 鎖くるなり」 

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