○親父の姿は冬モード
朝6時、いつものように書斎の窓を一杯開けて外気を取り込みました。今朝は少し肌寒いような感じがして秋も少しずつ深まっています。散歩から帰って来た親父の姿を見て驚きました。昨日までは半袖姿だったのに、今朝はたった一日違いでジャンバーを羽織っての散歩です。「寒いと思ってジャンバーを着て出かけたら汗が出た」というのです。風邪でも引いたら大変とジャンバーを脱がせ少し汗ばんだ背中の汗をタオルで脱ぐってやりました。私たちにとっては快適な季節の変わり目も、年老いた親父にとっては寒さに向かう厄介な季節となるのです。暑かった夏も過ごしにくいようでしたが、寒さも親父の活動範囲を更に狭めるようです。
この4~5日、親父の仕事は長い畑の畦に植えているツツジの剪定でした。私が結構忙しいため親父から手助けするように言われても、予定を変更することが出来ず、「2~3日待って」といっても自分流を貫いて作業をしてしまうのです。ですから少しオーバーワーク気味で今朝は肩が痛いというので、サロンパスを腰に加え肩にも張ってやりました。それでも親父のアリにもにた作業ながら何と100メートルものツツジの生垣を全て剪定し終わってしまったのです。2日前の朝その剪定くずを下の田んぼの持ち主の了解を得て焼却処分する事にしました。稲刈りが終わった田んぼは稲株から彦生えの稲がスネ辺りまで伸びていました。田んぼの真ん中に一輪車で集めた剪定くずをうず高く積みました。剪定くずは緑のままで燃えないため、少し灯油をかけて火種を作り燃やしましたが、天候もよく無風だったので僅か1時間弱で処分してしまいました。野焼きは余り好ましいことではありませんが、それでも背に腹は変えられずしょぶんしてしまいました。
昨日の親父の作業はツツジの足元に生えた雑草取りでした。茅やハズが生い茂っていましたが、下の田んぼから梯子を掛けて鎌で刈り取るのです。気の遠くなるような作業を上がったり下りたりを繰り返し、私が帰った午後2時ごろには既に終えていました。折から降り出した雨にも濡れず、良かったと一安心のようでした。
親父はガンの手術で片目は殆ど見えません。見える片方も白内障とかで来月には軽い手術をする予定にしています。日ごろの不義理を払拭するため今回の手術は私が付き添いする予定にしていますが、今日までの作業のように自分の予定に合わされるとまた困ってしまいます。まるで子どものように今から言い含めなければならないのです。
「凄いです あれ程長い 生垣を たった一人で 剪定作業」
「秋なのに 親父の姿 冬モード 汗ばむ背中 捲り拭き取る」
「年寄りにゃ 夏の暑さも 堪えたが 冬の寒さも 骨身に染みて」
「あの仕事 やがては俺が やるのかと 横目見ながら 気遠くなる」