○私たち人間は生き過ぎているのか
先日新聞を読んでいたら、東京工業大学本川達雄教授の書いた「ゾウの時間・ネズミの時間」という本の紹介文が載っていました。面白そうなので各駅停車の鈍行列車の中でなるほどと頷きながら、弁当を食べた箸袋の切れ端にメモしました。旅の途中だったものですから、メモしたことすら忘れていましたが、今朝愛用の木になるカバンを整理していると箸袋が出てきました。
「動物の寿命」と書いたメモには、色々な哺乳動物の寿命を心周期(心臓が一回ドキンと打つ時間)で割ると15億という数字が出てくるのだそうです。つまり哺乳類の心臓は一生の間に15億回打つようです。
ところが動物の心周期はまちまちで、ハツカネズミは心臓が一回打つのに0.1秒、大きなインドゾウだと3秒もかかるのです。人間の一分当たりの心拍数は50から70ですから計算上は1秒ちょっとでしょうか。この数字で動物の寿命を計算するとハツカネズミは長く生きても2~3年で、インドゾウになると70年は生きられるのです。さてこの計算式で人間の寿命を単純計算すると26.3歳だと読んで驚きました。アフリカのような発展途上国ならいざ知らず、日本人の寿命は雄に0歳を超えるというのに・・・とこの計算を疑いましたが、この記事には後があるようでした。人間の本当の寿命は26.3歳なのに、人間の長い間の知恵によって煮炊きをする技術を覚えたり、入れ歯が普及したり、安定した食糧供給や安全な生活空間、医療の発達などによってzy妙が伸びただけのことだそうです。
人間が地球上で生活をするようになった頃の人間の寿命は26.3歳だったと推測されます。縄文人の寿命は31歳前後だったようで、15歳から16歳くらいで本能の赴くままに子どもを産んである程度の子育てをして、次の世代にバトンタッチしていたようです。人間、特に日本人は子どもを産み育てるのに20年もかかるのですから、縄文人から比べると過保護すぎるのです。はてさて私の寿命が26.3年だとい説が正しければ、私の寿命はとっくに終わっていて、65歳の私は生き過ぎのようで、いつ死んでもおかしくないのです。
ある別の説によると人間の寿命は心拍数で20億回だそうで、これを一分あたりの心拍数で割ると、一分間に50回の人は75年、70回で55年という計算が成り立つのです。
激しい運動をして一分間に70回以上心拍数を数える人よりは、のんびりゆっくり50回程度の心拍数を維持する方が長生きするという考えも成り立つのです。短気は短命、長寿の秘訣はのんびりゆっくりかも知れません。私たち現代人はとっくに寿命を通り越しているのですから、せめてこれからの老後は面白おかしく、加えて次に続く人たちのために役立って死ぬことも考えなければならないようです。
世の中には面白い考えで人間や他の動物の寿命をカウントする人がいるもので、大いに感心しました。
「生き過ぎと 計算上は 思えども 折角生きる もっと有意義」
「のんびりと 過ごした方が 得策と 分かったからにゃ のんびり寿命」
「世の中にゃ 偉い考え する人が 沢山おりて 色々学ぶ」
「人間は ゾウより短い 寿命だと 聞いて納得 ゾウに見習う」