shin-1さんの日記

○種の生命力は凄い

 家庭菜園の畑を耕運機で耕し、畝を立てて種を蒔いてから一週間近くが経ちました。その間一滴の雨も降らず毎日30度を越える残暑が続いています。親父は庭の隅にある井戸から家庭菜園の各所に、自分で配水パイプを引いて水遣りができるようにしていますが、その井戸水を使って毎夕水を撒いたお陰で二日前から大根の種が芽吹き、可愛らしい緑色の双葉が地上に出てきています。目の薄くなった親父には最初芽吹きは見えなかったようですが、昨日の昼頃には芽の列がしっかりと確認できるようになりました。太陽が沈み地上の熱が収まった頃を見計らって散水を続けてきた親父にして見れは、種の発芽は嬉しかったようで、「これで今年の冬も大根を食べることが出来る」と喜んでいました。

若松進一ブログ
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 それにしても種の生命力は凄いと思います。一粒0.5mにも満たない小さな種が太陽の恵みを受けた大地の熱と水によって芽吹くのです。一緒の日に蒔いた小松菜やコカブ、高菜などの種はもっと小さく、虫眼鏡の世界でしかない種が、根と茎と葉っぱの基をしっかりと種の中に蓄えているのですから驚きです。

 種は硬くて丸く潰そうと思っても潰れませんが、水を含むと種は容易に表皮を割って発芽と発根をするのです。地中と営みは目に見えないため知るよしもありませんが、地上に出た目はやがて双葉の上に葉を茂らせて行きます。小松菜やほうれん草などは葉を食べるためある程度生育状況が分かりますが、大根は食べる根の部分の成長が重要なので、種蒔きと同時に施肥した有機肥料が効いて、どんどん成長して行くことでしょう。

 今年の秋は好天に恵まれて、各地で開かれている運動会も気を揉むこともなく順調に推移しているようですが、夏からの続く猛暑は観測史上様々な記録を塗り替えるほどで、少雨状態はみかんや野菜に大きな打撃を与えているようで、干ばつ対策本部を設置して水遣りを促しているようです。雨が少ないから水をやるという対処法は誰もが考えることですが、みんなが水を欲しがるのですから、我先にという競争や揉め事が必ず起ります。利口な人は、人が水に見向きもしない雨の多い頃に水を蓄えたり、配水パイプの手入れをして事に備えるのです。一見逆のようですがこれは理に叶った対処法です。水を制すれば儲かることが分かっていながら、目に見える目先のことしか出来ないのも、これまた人間の悲しい嵯峨かも知れません。

 その点92歳になった親父が庭の隅に井戸を掘り、配水パイプを引いた行動はわが親ながら賞賛です。「井戸を掘ったが泉が湧かぬ」ハズだったわが家の井戸も、井戸の底に水道(みずみち)が出来たのか、今年のような旱魃にさえびくともせず、たっぷりの水を蓄えているのです。私には真似のできない先陣の知恵なのです。


  「この種の 何処にあるのか 生命力 芽と根を伸ばし やがて野菜に」

  「この種は 何処で採れたか 分からぬが 我が家の畑 夢のゆりかご」

  「空袋 隅に一粒 種残る 愛おしくなり 畑にそっと」

  「今年また 季節巡りて 種発芽 冬に供えの 野菜が育つ」

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