○第50回愛媛県老人クラブ記念大会
かつてえひめ地域政策研究センターの所長をしていた青野さんは、退職後老人クラブ連合会の事務局長に就任されています。その青野さんから昔のよしみで講演依頼の声がかかり、第50回愛媛県老人クラブ記念大会の記念講演を頼まれ、昨日会場となっている県民文化会館へ出かけて行きました。
私も県内外へ講演に行き、これまでにも県民文化会館のステージに立ったことはありますが、メインホールの大舞台での記念講演は初めてなので、1000人余りの参加者に多少緊張した面持ちになるであろうと思っていましたが、以外に落ち着いて話すことが出来ました。
(講師はこんな立派な県民文化会館の応接室で、分相応でないお茶をいただくのです)
(メインホールの会場を埋めた参加者の皆さん)
長い人生の機微を生きてきた百戦錬磨の人たちを前に、講演時間は僅か1時間余りなので、はてさて何を話そうか迷っているうちに司会者から講師紹介され、「心豊かに生きる」という演題で講演は始まりました。いきなりレクリエーションをやりました。「皆さん、私が『しんちゃん』何々しましょうという枕詞をつけた時だけ動作をしてください。分かりましたね」と前置きで納得させる話をして始めたのに、「では皆さん手を上げてください」と言えば殆どの人が手を上げてしまいました。「しんちゃんがついていないのに何故手を上げるのですか。じゃあしんちゃんその手を下ろしてください」と、まあ言葉巧みに誘って大爆笑で大いに盛り上がりました。「皆さん、この遊びは小学生でも出来るのですが、皆さんは小学生以下です。だから交通事故や振り込め詐欺に遭うのです。思い込みでなく人の話は最後までちゃんと聞いて行動しましょう。」でスタートしました。いやあわれながら実に愉快な講演会でした。
(ステージにはおこがましくも私の演題が吊り下げられていました)
今高齢者を取り巻く社会は、指折り数えただけでも10指に余る大変大きな問題を抱えています。①交通死亡事故や運転免許証の返納、②振り込め詐欺や住宅床下工事の水増し請求、③熱中症による死亡事件、④百歳以上の安否確認不明、⑤痴呆症の発症、⑥高齢者福祉施設のあり方、⑦後期高齢者年金問題や介護保険、⑧地震や津波の時の安否確認、⑨葬祭センターの出現と死に方や死の尊厳、⑩家族の人間関係などなど、長寿大国日本を象徴するような大きな問題なのです。
かくいう私も昨年65歳の誕生日を迎えて高齢者となり、また自宅に92歳になったわが親父がいて他人事とは思えないのです。
講演はあっという間に終わりましたが、情報化時代を反映しているのでしょうか、昨晩参加した高齢者から3件の感想メールがインターネットで寄せられました。いずれも「楽しい講演会でした」とか、「老いを迎えて色々と考えさせられました」に加え、「近々あんな面白い話を地元でして欲しい」という講演依頼まで含まれ驚きました。私にとっても記念すべき思い出に残る大会となりました。
「千人の 人を相手に 話する メインホールの 壇上立ちて」
「思いつき いきなりレクで 大爆笑 心を掴み あっという間に」
「いつの世も 悩みが多い 高齢者 弱者がゆえに 大切したい」
「よくもまあ こんな大きな 舞台立つ ビビルことなく 役目を果たす」