○骨折り損のくたびれも儲け
人間牧場を造ってからもう何回人間牧場の草を刈ったことでしょう。一度だけ仲間たちがボランティアで草刈を手伝ってくれたことがありますが、それ以外はこの5年間、ただひたすら草を刈り続けてきました。梅畑や蕗畑、コンニャク畑、芋畑以外は、草を刈ることによって生産性が向上しない、ある意味草を刈ることによる美観のみの目的なのですから、草刈機の混合油を消費し、汗をかいて私の体力を浪費することしか脳がないのです。
ふとこのことに疑問を感じてから、草を刈る面積を少なくして生産効率を高めるために、ブルーベリーやスモモの苗木を植え込んでいますが、その成果は未だ未知数なのです。
今日も二組の視察を人間牧場へ受け入れるスケジュールの合間を見つけ、妻の入れてくれたお茶を持って一人人間牧場へ草刈に行きました。残暑が厳しいといっても日陰は秋の気配が漂い、標高130メートルの人間牧場は心地よい秋風が吹いて、アキアカネトンボが沢山飛んでいました。
この5年間、作業の度に履いている地下足袋を用意して、草刈機に混合油を入れて戦闘開始です。寿命と思われた古くて重い草刈機ですが、このところは最後のご奉公と思ってか絶好調で、替刃切れもまずまずでした。このところの好天続きで草はしんなりとしおれ、乾いた大地は土煙を上げていました。
作業が進みにつれて汗が吹き出るように流れ出し、作業着は瞬く間にびしょびしょになりました。一回の作業は30分から40分くらいが限度で、疲れを感じたらエンジンを止めて給水のため、木陰に腰を下ろして一休みします。妻の用意してくれた冷たいお茶がゴクリと喉を通る瞬間は何といえない美味しさでした。
ふと思ったのですが、5年前に人間牧場を造ったころは、草刈作業は重労働のように体に堪えていました。ところがこの5年間の草刈作業で筋力と体力がついたのか、それほど疲労しなくなったようなのです。か細かった腕や肩に筋肉がついたと妻が言うように、確かにパワーを感じるのです。
これから先のことは分かりませんが、多分人間牧場が存在する限り草刈作業は続けなければなりません。加齢による体力の限界が何歳なのかも分かりません。その時は長男息子が刈るのかシルバー人材センターへ頼むことになりそうです。
まあその時はその時、それまでは積小為大のよろしきを得て、しっかりと草を刈りたいと思っています。今年の草刈作業をいよいよ終わりが近づいてきました。今日は人間牧場入り口の道沿いの草を刈り、すっかり綺麗になりました。もう一回、うんとこドッコイショと草刈作業に汗を流しましょうか。
「草を刈る ただひたすらに 草を刈る 何の目的? 未だ答が」
「気がつけば 体力筋力 少しつき くたびれだけじゃ なかった気がする」
「喉通る 冷たいお茶の 美味しさよ 汗の替わりに 水分補給」
「もう一度 これで今年も 草刈は 終わりにしよう 秋が来たから」