shin-1さんの日記

○井上ミツバチ師匠が栗の高接ぎ(その①)

 私には色々な師匠がいますが、人間牧場で3年前ミツバチを飼い始めた時、自分勝手に師匠と決めていた人が愛媛県西予市野村町山奥組の井上登さんです。私が井上さんを師匠と呼ぶゆえんは三つあります。その一つはミツバチに関する研究に熱心で奥義を極めていること。二つ目は独自の人生観を持っていて謙虚であること。三つ目は人の面倒見がいいことです。これは私が人に接する時大切にしている姿勢の幾つかで、私自身も常々そんな人間でありたいと願望しているのです。

 3年前人間牧場で子ども体験塾にやって来ていた子どもが、「ミツバチがいなくなったというニュースをテレビで見た。出来れば人間牧場でミツバチを飼いたい」と言うのです。その子どもの夢を叶えてやりたいと、早速地域づくり人養成講座で知り合った井上登さんに懇親会の席上、雑談めいて話すと「私はミツバチを飼っているので、お手伝いしましょうか」とトントン拍子で話がまとまり、3年前の春開け切らぬころ、巣箱に種蜂を入れて人間牧場へ持ってきてくれました。その日から私は人間牧場へ行く度にハラハラ・ドキドキが始まりました。

 幸運にも高知県馬路村へ講演に出かけた折、村役場の木下彰二さんの仲立ちで、馬路村産杉板で出来た立派な巣箱を3個もいただいたのです。それ以来巣箱を人間牧場のあちこちに設置して養蜂は始まりました。しかしミツバチは私のような素人が手を出すほど甘いものではなく、これまでの殆どの作業は未だに井上師匠の手取り足取りの導きがなければ、殆ど何も出来ないような幼稚さなのです。

 それでもミツバチの生態は知れば知るほど面白く、またやればやるほど奥が深く多くのことを学ばせてもらっているのです。「ミツバチは飼い主の愛情によって決まる」という言葉は、人間関係の世界とまったく一緒であることも知りました。ミツバチを飼い始めて何度も蜂に刺されました。その都度「泣きっ面に蜂」の憂き目に会いましたが、「まだまだ愛情が足らないからだ」と自分を戒めながら、今年も心を新たにしてミツバチや巣箱に向かっているのです。

 これも偶然でしょうか、今年のミツバチの仕事始めは、井上師匠とメールのやり取りで決めた4月の8日(ハチの日)でした。この日は午前中由並小学校の入学式に列席し、急いで午後1時前に人間牧場へ行きました。あいにくこの日は強い南風が吹き雨も降っていましたが、井上さんは時間通りやってきてくれました。この日はまったく余談な話ですが、先日伐採した大きな栗の木の高接ぎをお願いしていて、私がチェンソーで切った枝に、穂木を接木してもらいました。雨の中合羽を着ての作業となりましたが、無事接木を終えることが出来ました。

 井上さんの話によると、もし接木が上手くいくと2~3年で幾つかの栗の実を収穫できるそうです。これまでは栗のイガしか出来ず、下の畑のおばさんにすっかり迷惑をかけていましたが、これで懸案事項が一つ片付き、人間牧場も充実の兆しです。

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(木の上に登って高接ぎをする井上さん)

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(高接ぎした後はビニール袋を被せました)

  「ミツバチの 師匠今度は 栗接木 雨濡れながら 手早い作業」

  「植物は 不思議といえば 不思議です 木と木くっつき 実がなるなんて」

  「さあこれで 下の畑のおばさんに 迷惑かけず 済むと思えば」

  「春四月 野山に春が 芽吹きたる 若草踏んで 畑作業す」

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