人間牧場

〇夕やけと朝焼け

 私たちの地方では、昔から沢山の天気予報に関する言い伝えが残っています。気象衛星などなかった昔は、天気予報など「当たるも八卦当たらぬも八卦」といった感じで、備えもできず気象被害に度々あって泣き目を見てきました。わが家は代々漁師でしたから、「板子一枚下地獄」の海に乗り出すためには、瞬時に気象をよみ取る知識と知恵が求められていて。運動会や遠足の度にその恩恵に預かってきました。

昨日の朝焼け
昨日の朝焼け

 例えば「空の夕焼け鎌を研げ」と明日の天気を教えられました。また「沖合いに浮かぶ島々に雲がかかると南西のやまぜが吹くので漁に出るな」とかいった、長年の経験からにじみ出た諺を随分教えられたように思うのです。昨日の朝雷を伴った激しい雨が降りました。ところが突然雨が止み、東の空が綺麗な朝焼けに変わりました。普通であれば「ああ天気が回復した」と思うのでしょうが、その後次第に雨がまた強くなってきました。

 「夏の朝焼け川向こう渡るな」という諺通りでした。つまり夏は綺麗な朝焼けでも必ず雨が降るから、川が一気に増水するので要注意というのです。その確認をするようにデジカメで朝焼けの東の空の朝焼けを写真に撮りました。私のタブレット端末には3日後まで、つまり72時間先までの1時間毎のシーサイド公園と人間牧場の気象予報が表示されるようになっていますが、梅雨ゆえの天気でしょうか、直近はよく当たるのですが、明くる日やそのあくる日といった3日後など、まるで猫の目のように目まぐるしく予報が変わるのです。旧暦や天気諺等はもう古いと思われがちですが、知っておくと気象システム以上の働きをすることも事実です。何年か前古老から丹念に気象諺を聞いていた知恵が、気象システムと併用することで今頃役に立っています。

  「よく聞いた 秋の夕焼け 鎌を研げ 古老の諺 暮らし役立つ」

  「梅雨の時期 気象システム コロコロと 表示が変わり 当てにはできぬ」

  「昨日朝 東の空が 朝焼けで 赤く染まった 信じちゃならぬ」

  「予報ゆえ 当たらぬことも あるものと 気象システム 諺併用」

[ この記事をシェアする ]