人間牧場

立ち話

 昨日は松山で会議があり松山で半日を過ごしました。私のホームグランドは勿論住んでいる双海町ですが、住んでいる双海町を覗けば合併して広くなった伊予市より、その向うの向うにある隣のそのまた隣街松山の方が、過ごす時間ははるかに多いのですから少々首をかしげます。まあ松山市は愛媛県の県庁所在地だし、政治経済・文化教育・福祉医療などの中心なので当然といえば当然で、欲しいものは何でも揃う便利な所です。

 会議が終って帰る途中、6月10日に中国からやって来る視察者を迎える会議室を借るべく、ふたみシーサイド公園へ立ち寄りました。運よく特産品センターの所長さんと出会い会議室の予約を取りました。その後じゃこ天のお店や鮮魚店、特産品センター、野菜の直売所に顔を覗かせ、久しぶりに出会った人と立ち話をしました。その中に市役所の職員だった人の奥さんがいました。聞けばご主人は一昨年退職した今も元気で過ごしているようでした。

 ご主人は退職時再雇用の話もなく、家が農業なので今まで留守農業を守ってきた奥さんとともに農業をしているようですが、奥さんの不満話は「再雇用がなかった」こと、「退職金が思った以上に少なかった」こと、「退職後一年間は基礎年金も出ず無収入だった」ことなど様々でした。再雇用も退職金も基礎年金も話を聞きながら、「それは大変ですね」と同調はしたものの、これが35年以上も公務員として勤めさせてもらった人のその後とは?と、少し首を傾げたくなりました。

 確かに11年前に退職した私たちの年代から比べると、右肩下がりの退職条件になっていますが、それを嘆きながらこれからの余生を生きることへの疑問も湧いて来ました。その奥さんが私に「若松さんはいいですね。幸せそうだし、だって今でもあちらこちらに呼ばれて講演でお金が入るのですから・・・」と羨ましがられました。「いえいえそんなことはありませんよ」と幾ら打ち消しても聞く耳を持たないので、「私は恩返しの人生を過ごしています。ご主人にも少しボランティア活動に参加するよう勧めて下さい」と頼むと、「そんな余裕はありません。食べるのがやっとですから・・。」で終りました。

 これが田舎の役場に勤めた殆どの人とその周辺人の現状です。皆さんどう思いますか?。この人たちの生き方も人それぞれですから一概には言えませんが、少し寂しい感じがしたので、「あなたたちはまだまだ恵まれていますよ」と言ってやりました。人生は長いようで短いものです。なるようにしかなりませんが、なるようにもなります。心と体を鍛え目標を立ててしっかりと健康寿命を全うしたいと思いました。

  「年金や 退職金に ご不満を 漏らす人たち 何と多いか」

  「再雇用 言いつつ声が かからずに 農業自営 道を選んで」

  「食べるのが やっとと言いつ 飯食って 肥満の体 またまた太る」

  「不足言い 毎日生きても 世の中は 何も変らぬ もっとポジティブ」 

 

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