〇インパクト
最近は横文字の言葉がやたらと多く、私のような田舎者の、しかも昭和19年生まれの古いタイプの人間には、何となく生きづらい世の中です。先日ある大工さんとお話をしました。大工さんの話の中に時々「インパクト」という言葉が出てきました。田舎者で古いタイプの人間だと自負はしているものの、「インパクト」とは「心理的衝撃」くらいの意味は知っているつもりでしたが、私の知っている「インパクト」と、大工さんが使っている「インパクト」という意味はまったく別のものであることにその内気がつきました。
私のブログを毎日読んでくれている皆さんにそこで質問です。大工さんが使っている「インパクト」とは一体何のことでしょう。私のブログを毎日読んでくれている人の殆どはアウトドアー派の人たちばかりなので、「それくらいのことなら知っている。馬鹿にするな!!」と叱られそうですが、大工さんの言っていた「インパクト」とは電動ドライバーのことでした。「ドライバー」といえば運転者と同じなのでまた混乱しますが、現代の大工さんは金槌で釘を打つようなことはせず、もっぱらネジ釘とインパクトで板や柱を止めて行き作業を効率よく進めているのです。
私も古いタイプのマキタ電動ドライバーならぬインパクトを使っていますが、特に蜜蜂を飼うようになって、充電式のインパクトはなくてはならない必需品となりました。天板を外し中から蜂蜜のいっぱい詰まった巣を取り出す時は、インパクトを逆回転させて、衝撃音で蜜蜂を驚かせることもなく静かにネジ釘を抜き取れるし、蜂の巣を取り出せば速やかに元にも戻すことができるのですから、便利重宝といったところです。私たちは本当の意味も知らないまま横文字言葉を頻繁に使うようになりました。使えばどこか格好良く物知りのように見えるので使いたがるし、知らなくても知ったかぶりでやり過ごします。知らないといえない雰囲気が今の社会でしょうか。嘆かわしい私です。
「大工さん 会話の中に インパクト よくよく聞けば 電動工具」
「友だちに 知ってるかい?と 尋ねたら 初めて聴いたと 笑い話に」
「分らずに 横文字言葉 使ってる 聞いては見たが その人知らず」
「古いねえ 昭和は遠く なりにけり このまま生きて いいものなのか」