人間牧場

〇孫希心が買ってきた魚

 先週の土曜日に行なわれたほたる祭りは、あいにく入梅当日の雨にたたられ、散々な目に遭いました。私も急逝した従姉妹の通夜に出なければならないため、孫を連れて腕白相撲に顔を出しただけで、お茶を濁して帰りましたが、孫たちは私とバトンタッチした若嫁と一緒に、ほたる祭りを存分に楽しみ、ほたる祭り名物のヨモギ餡餅をお土産に買って帰ってくれました。

 

孫希心が300円で買ってきたチダイ
孫希心が300円で買ってきたチダイ

 明くる日の朝若嫁が、「お父さん、希心君がほたる祭りでお魚を買って帰っているようなので料理を手伝ってくれない」と頼まれました。一瞬「エッ」と思いました。息子や若嫁のような大人ならいざ知らず、小学校3年生の子どもがほたる祭りに出店している漁業後継者の店先で、お魚を買ったというのですからこれはまさに珍事でした。若嫁が冷蔵庫から取り出したビニール袋入りの魚は、手の平大サイズの鯛でした。こちらでは通称チダイと言って真鯛と違い少し丸々としていますが、れっきとした尾頭付きの鯛でした。

 孫希心に聞けば、チダイ9匹で300円だったそうです。ほたる祭りに行く時おばあちゃんから二人の孫に千円のお小遣いを貰ったようで、その小遣いを元手の買い物でした。魚屋さんのチダイの値札には600円と書かれていたそうですが、孫は店番の若い漁師さんと丁々発止のやり取りで半額の300円にして欲しいと頼み込み、商談成立だったようで、自分が腕白相撲で優勝したことの余勢をかっての大判振る舞いだったようです。

 私は家の裏の調理場で丁寧に鱗を剥がし、内蔵やエラを取って綺麗に水洗いして若嫁に渡しました。お礼に2匹いただきましたが、若嫁は昨日その鯛を使って鯛飯を炊き、残りを煮付けにして美味しくいただいたようでした。わが家へも鯛飯のお裾分けをいただきました。孫希心のお陰で息子たちと私たちの食卓は、いつになくおご馳走でした。こんなハプニングもあるもんだと妻と二人で話しました。同居しているゆえ孫たちの日々の成長は中々気付きませんが、少しずつ成長していることを実感しました。

  「孫希心 ほたる祭りの 店先で 値切ってチダイを 9匹ゲット」

  「小学生 小遣い銭で 魚買う 家族みんなが 首をかしげる」

  「昨晩は 鯛のお頭 鯛飯と まるでお祝い 相撲優勝」

  「同居ゆえ 成長余り 気付かぬも 少しずつだが 社会身につけ」

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