○この頃の夕日
昨日の夕方外出から帰り、自宅で雑用をしていました。最近は間もなく同居する予定の息子家族が、準備のためひんぱんに帰郷するので何かと慌しく、部屋を明け渡すため二階にある二つの押入れの荷物を移動せねばならず、家の中に荷物が溢れているようで、特にお客さん様の蒲団は、とりあえず応接間にうず高く積み上げています。
私の町には潮風ふれあいの館という公共の宿以外これといったホテルや旅館、民宿がなく、社会教育やまちづくりで講師を招聘しても、殆どの人をわが家に泊めていました。加えて全国から訪れる私の活動仲間たちも全てわが家に泊めていたため、わが家の蒲団の数はまるで民宿のようにめちゃくちゃ多いのです。
加えて畳を替えたり障子を張り替えたり、トイレを様式に改造したりと、そんなこんなでここ当分は家の中でゆっくるする気分にはなれないようです。
こ年の春は南風が吹かず雨が殆ど降りません。3月の末から今月に入っても雨は記憶にないほどなのです。ゆえに畑のジャガイモなどの作物は生育が遅れ、このところの気温上昇でやっと芽を出した程度なのです。家の横の庭に置いているブルーベリーの鉢植えも花が咲き始めましたが、危うく水切れを起こすところでした。
昨夕ブルーベリーの鉢植えに水をやりながら、ふと畑の向こうに広がる西の空を見ると、綺麗な夕日が静かに沈んでゆくのが見えました。余りの見事さに水やりを一時中断して書斎へ戻り、遅いかと思いつつカメラを取り出し、自宅の車庫の屋上へ上がり、2~3写真に収めました。夕日はまだ少し山の端ですが親父の隠居家の屋根の向こうに沈んで行きました。私の作った夕日の時刻表によると昨日の日没時間は18時41分なのです。
夕日は人様々な楽しみがあるし、感じ方もまちまちです。昨日のように私が勝手に名付けたサーモンピンクのような淡い色合いの空もまた一興です。わが家の私設公民館煙会所に座して窓越しに見える夕日は格別で、煙会所のことを朝日山荘ならぬ別名夕日海荘などと、勝手に別名を付けて楽しんでいるのです。
煙会所が出来だての頃はこの夕日を自慢したくて沢山の人を迎え入れ、煙会所で酒盛りをしたものです。当時は付近に遮るものが殆どなかったので、上灘川に架かる長い鉄橋を走る特急宇和海を銀河鉄道と名付けて楽しんだこともありました。丁度その時幸運にも下りの列車が鉄橋の上を走りましたが、カメラスポットが悪かったため、シャッターチャンスを逸してしまいました。
これから日脚がどんどん長くなり、わが家から毎日夕日を楽しむことが出来るのですから、夕日男としてはこれほど幸せなことはありません。せいぜい移り行く季節や夕日を楽しみたいと思っています。
「あっ夕日 水遣りの手を 休めつつ 見とれて急に カメラ持ち出す」
「この空を サーモンピンクと 名付けたり 自称夕日の 博士ですから」
「鉄橋を 渡る列車も 絵になりて 残念至極 アングル悪く」
「忙しく 日々は刻々 過ぎて行く せめて一瞬 季節楽しむ」