○夏キャベツは菜園で育つのか
先日妻の実家である八幡浜へお墓参りに行った帰り、大洲の特産品売り場でキャベツの苗を1セット12本買い、家庭菜園に植え付けました。キャベツといえば「霜に合うほどまろく育つ」という高村光太郎の詩の一節のように、冬や春を代表する野菜だから、多分夏などできるものかと私は反対しましたが、妻は「キャベツは年中出回っているのだからできないはずはない」というので、「それもそうだ」と思い育てることにしたのです。
植えて二週間が過ぎましたが、苗は活着して多少大きくなったように見えるものの、新芽が萎縮して何処か弱々しいのです。よく見るとアブラムシのようなものが沢山新芽に集まっていました。葉っぱを食べる野菜なので承諾もできず、僅か12本ですからアブラムシを手で取りました。しかし残念ながらキャベツの苗は萎縮して弱々しく、このままだと枯れるかも知れないと思うほどなのです。
これを見ていた親父は、「思い切って消毒をした方がいい」と勧めてくれました。わが家には約200メートルにわたり皐月などの庭木が無数に植えられ、また菜園には甘夏みかんなどの柑橘類が植えられていて、その手入れ用として消毒機械が直ぐにでも間に合うように設えられているのです。
早速親父と二人で消毒用の農薬を溶いて準備をしました。折りしも最近の長雨で仕上げの時期に入ったジャガイモの葉っぱにも病気がきていて、思い切ってそれらも一緒に病害虫混同の消毒をしました。勢いよく噴霧器から出る消毒液を見ながら、かつて人間牧場付近で母が蜜柑を栽培していた頃を思い出しました。この時期になると母親が噴霧器でみかんの木に農薬散布をしていたのを手助けのため、ホースを引っ張りに出かけたものです。
ふと「毎日食べている虫の食べていないキャベツは一体誰がどのようにして作っているのだろう?」思いました。自分がやれば夏キャベツはこのように消毒しないとできないのだから、農家の人も綺麗なキャベツを作るのには農薬を使うと思うのは当然の道理です。妻はキャベツ大好きな私のためにキャベツを年中欠かすことなく買って帰ります。食事の前にはこのキャベツを丁寧に水荒らして食べさせてくれるのですが、はてさて農薬は水に溶けてしまったのかどうかも確認しないまま、毎朝リンキャベと称してパクついて食べているのです。
「余り神経質になると食べるものがなくなる」かも知れないと思いつついい加減にしていますが、はてさて私たちの食生活は果たして大丈夫なのでしょうか。
虫も死ぬほどの消毒ですから人間の体には決して良くないことは分かっています。だからといって農薬を使わないとできないし、「うーん困った」と実感するこのごろです。まあ減農薬に違いはないのですが、これも気休めかも・・・・・・・。
「夏キャベツ 虫を手で取る 手に負えず 結局農薬 不安抱いて」
「体いい 信じ毎朝 リンキャベと 言いつつ食べる キャベツはいかに?」
「気にしたら 何も食えない 野菜類 自分でさえも 農薬撒いて」
「いい事と 知ってはいるが できぬ事 狭間で揺れる 心どうする」
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百姓に朝昼も無い夜も無い
ほうれん草に菊栽培
とうきょうの訛り懐かしバス停の
待てど暮らせど日に二便