○ついにイノシシに勝った子どもの話①
あれは確か5月26日だったと思います。60人を超える応募者の中から30人余りの子どもたちが抽選で選ばれ、「少年少女おもしろ教室」がスタートしました。行き掛かり上実行委員長を頼まれた私は、人間牧場を開放し様々なプログラムを考えました。教室の実行委員会が主催ですから、かつて私が無人島由利島でやったようなサバイバルや安全な冒険はできないものの、少しでも子ども達に感動を与えようと、既存プログラムに知恵を授けました。お陰で今年のプログラムは子ども達にとってとても魅力的で、感動するものとなりました。
(回想写真②、芋植え作業)
(回想写真③、ネット張り作業)
(回想写真④、看板設置)
(回想写真⑤、完成した芋畑)
5月26日には人間牧場の農場に芋を植えました。農場と言っても猫の額ほどの小さな段々畑です。そこを耕し黒いマルチシートを敷いてイモヅルを差し込んでゆくのです。あいにく植えた頃は雨が降らず何本かは根付かず枯れてしまいましたし、その後の異常とも思える猛暑でイモヅルは悲鳴を上げましたが、それでも植物は偉いもので、土の中に芋を蓄え今日に至ったのです。その間事務局の職員が何度も見回り、成長の記録も残しましたし、子ども達も夏のキャンプ時に草取りや草刈りをして芋を助けたのです。
最も気を配ったのはイノシシ対策でした。というのも昨年は収穫間際になってイノシシの攻撃を受け、ツル以外何も残らないように食べられ、全滅の被害に遭ったのです。近所に住む西嶋さんが猟銃でイノシシを獲ったそうですが、イノシシは無数にいるのでその対策をしないと昨年の二の舞を踏むと思い、色々作戦を考えました。
「イノシシに知恵で勝とう」とリベンジを誓った子ども達は漁師さんから貰った魚網を芋畑の周囲に張り巡らし、ジュースの空き缶を沢山吊り下げました。また使わなくなったCDや人間の髪の毛もまるでおまじないのように取り付けたのです。僅か5ヶ月の間に網にカズラや雑草が絡み、何度か網囲いも倒れそうになりましたが、人間牧場に行く度に補修をして望んだのです。
芋端会議と銘打った芋掘りとクッキングをセットにした収穫祭が先日10月27日に行われました。私はあいにく島根県へ出張中で参加できませんでしたが、人間牧場の全てを教育委員会の日山さんに委ねての旅立ちとなりました。昨日教育委員会の福岡さんがその様子をデジカメで写したものを届けてくれたので、早速記録に留める事にしました。
写真には子どもたちの芋を掘る様子が写っていましたし、ボランティアの人たちの手助けでクッキングしたり、食べたりする様子が楽しそうでした。総じて大豊作とまではいかなくても、農政局の発表に準じると作柄は「やや良」といったところでしょう。それでもイノシシに知恵で勝とうと誓った成果ですから素晴らしいの一言です。
様々なハプニングをみんなの力で克服しました。来年はこの芋を種にしてツルまで育てるプロジェクトを考えていて、既にそのプログラムが水面下でスタートしています。
皆さんご苦労様でした。
「イノシシに 勝とうと誓い 芋植える 子どもの願い 天に通じて」
「昨年は 見事食われた 芋畑 今年は子ども 歓声響き」
「携帯の 電話の向こう 賑やかに 島根の地まで 感動届く」
「今頃は イノシシたちも リベンジを 虎視眈々と 狙っているかも」