shin-1さんの日記

○旅の思い出

 今回の奈良県への旅で二つの思い出が出来ました。一つは30年ぶりに旧友に会ったことです。その人の名前は谷川さんです。昭和51年に私は総理府派遣第10回青年の船の班長としてアメリカ・メキシコ・ハワイを旅しました。その時に同じく班長として乗船していたのが谷川さんでした。県庁に勤めていた彼はその後課長や次長を歴任して退職後の今は県市町村会の事務局長として活躍しています。班長は30人いましたが、彼はわたぼうしコンサートなど障害者の支援に積極的なボランティアでしたので、、船内でも何かと気の会う二人でした。毎朝狭い甲板を二人でジョギングし、朝食はいつも二人が一番乗りでした。彼は忙しさを理由に出席しなかった私と違って、毎回のように班長会に出席し皆さんの世話をしてきました。したがってこの30年間殆ど出席した谷川さんと殆どではなく1回だけで後の全てを欠席した私とは歯車が噛み合わず、今回の嬉しい出会いとなったのです。

 明日香村の芳山議長さんは県町村議長会の会長です。今回の講演依頼が谷川さんの耳に入り、わざわざ電話をかけてきてくれたし、東京出張中にも関わらず公園終了間際に会場近くまで足を運んでもらって再会となり、加えて谷川さんは天王寺の駅まで私を見送って、食事までご馳走になりました。

 30年の時の流れは私を少し細くし、谷川さんを少し太くしました。私は酒を止めたのに彼は未だにお酒が強そうです。本来なら盃を交わしたいのですがそれも出来ず、再会を約束して別れました。

 もう一つは高松塚古墳、石室解体ごの作業風景を窓越しではありますが見れたことです。1300年前の石室壁画は私たちが最初写真や新聞で見た時ほどの鮮明さはありませんでしたが、それでも日本の歴史を覆すような大きな発見として注目を集めた壁画は何枚かの石に分けられ、仮設修理施設に運ばれて細かい保存に向けた作業が地道に進められているのです。

昭和47年に壁画が発見された当時、私はまだ教育委員会に入って間もない頃でした。古墳全体が特別史跡に指定されその後国宝に指定されたのです。漆喰上に

多数の色彩を用いて四神図を表したものは、現在高松塚古墳とキトラ古墳の二つだけの大変貴重なもので

星宿図、日月像及び四神図、人物群像(女子群像・男子群像)が描かれた壁画古墳は極めて珍しいものなのです。

 旅の目的外でこんな二つの出会いがあるなんて、とても信じられない出来事でした。お陰様で随分充実した旅となりました。私のように日本全国をまるでフーテンの寅さんのように出歩いていると、あちこちを見て歩く余裕もなくついつい目的地と自分の町を往復する単純な旅になりがちです。勿体ないと思いつつ忙しさに追いまくられて旅は終わります。その証拠にいつも持参するデジカメの枚数が減っているようです。また出歩く場所についても事前に調べたり、結果をブログで記録したいと思っています。もう一度初心に帰って色々なものに興味を示したいのですが・・・・・・。私の旅はまだ当分続きそうです。

  「仕事旅 思わぬ出会い ありました 人も史跡も 心に刻む」

  「三十年 時の流れは お互いを 少し変えたか 痩せたり太り」

  「あの笑顔 記憶の彼方 変わらずに 戻りて握手 体温伝う」

  「友が言う 変わらないね 吾もいう 変わらないのは 心の絆」

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