shin-1さんの日記

投稿者: | 2006年9月1日

○ウナギの蒲焼

 写真はその時その場所があるとシャッターチャンスの必要性を思ったのはこの2枚の写真です。逗留した旅館の二階から見える雨上がりの風景が余りにも綺麗だったのでカメラに収めたのですが、明くる日の旅立ちが早く暗闇だったため、よくぞ撮っていたとしみじみ思いました。旅館の手入れの行き届いた庭は一幅の絵になる風景でしたし、赤い橋のかかるダム湖もまた捨てがたい風景です。いつか近いうちに妻にもこの風景を見せてやりたいものです。 

 高知県馬路村魚梁瀬の旅館を早朝4時30分に起床、身支度を整えそっと旅館を抜け出し、見覚えのある曲がりくねった道を引き返して約束の場所へ着いたのは5時15分でした。間もなく朝の早いことを自慢する木下君が手に抱えきれないほどの荷物を持って現れました。雑種愛犬チロも一緒のお見送りです。昨日見せてもらったウナギもしっかり氷水に入れてガムテープで水か漏れないにしているのです。木下君はわざわざホカホカのお結びを二個包んで持ってきてくれました。

 私は木下君と同じで朝が早く、毎日朝4時には起床をします。ですから朝の早いのは苦にならないのですが、今朝は8時過ぎにどうしても地元で片付けなければならない所要があって朝早い旅立ちとなったのです。木材運搬に向かう大型トラックが時折急なカーブから突然出てくる安田川沿いの道を注意しながら下って海岸国道を右折し、南国までの道程はそんなにかかりませんでした。南国から高速に乗って約束の8時30分に無事わが家に到着です。少し飛ばし過ぎたと自戒しながら迎えに出た妻にお土産を手渡しながら、楽しかった昨夜の事や、世話になった木下家のことを話して素早く身支度を整え次の行動です。

 夕方生協の理事長さんたちを見送って家へ帰ると妻は留守、「そうだ俺がウナギをさばいてやる」と思ったまでは良かったのですが、それからは悪戦苦闘の連続でした。私も魚料理は妻が褒めてくれるほどに上手です。あまり上手だといつも妻に使われますのでやらないことにしているのですが、包丁を研ぎ軍手をはめて調理に取り掛かりました。氷水の中では死んだように静かにしていたウナギが調理し始めるとこれは大変といわんばかりに荒れ狂いもがくのです。千枚通しを打ち込むのすら嫌がるウナギをしっかりと手で押さえて自分としてはまあまあな5本のウナギをさばきました。特に一番大きなウナギは立派なもので腕首ほどもある肉厚の厚いもので、用意したボールに一杯になりました。

 ウチワを使ってバタバタと七輪で火をおこし、網をかけて焼きました。ウナギを焼くコツはアナゴと一緒で皮目から焼かないと反りくり返りますので、アナゴ焼きの要領で焼いて行きました。最初は全てのアナゴを白焼きにしないとタレで焦げてしまうのでその要領で串を打つこともなく白焼き完了、戻ってきた妻が秘伝のタレを作ってさあ仕上げです。七輪の火を少し弱めてタレをつけて付け焼きにするのです。香ばしい匂いが当たり一面に立ち込めそれはもうお腹がグーグーです。私は料理人の特権とばかりに一口食べちゃいました。さばきだて、焼きだての天然ウナギは何ともいえない美味しさで思わず口がとろけるほどでした。妻はこのウナギのためにアサリの味噌汁を造り、肝吸いは次の機会にと冷蔵庫にしまうしたたかさでしたが、炊きだちのご飯に乗せるうな丼はお代わりまで「やっぱり天然のウナギは上手い」と褒めあい、このウナギを捕獲した木下君のことなどすっかり忘れて賞味しました。「これを機会に木下君とは末長いお付き合いをしたいもんだ」といったら妻に叱られました。

 私の町は海沿いにあって漁師町です。ですから魚はそれ程珍しくありませんし、川魚は独特の臭みがあって家族もそんなに喜びませんがウナギは別で美味しいですね。天然ウナギが年々減少している昨今、もう腹が黄色い天然ウナギも幻の魚になってしまうのではないかと心配されています。ウナギは淡水魚ながら海で生まれることは皆さんもご存知だし、その産卵場や生態も最近の研究で分ってきましたが、実は海にもウナギはいるのです。私が子どもの頃は港に餌をつけた釣り針を仕掛けておくと、アナゴに混じって時折ウナギが釣れました。海の人間ですからウナギは全部逃がしたり石に叩きつけて遊んだことを思い出しました。今思うと反対でウナギこそ大事にすべきだったと反省をしています。

 時ならぬわが家のおご馳走に、久しぶりに夕餉の前が楽しくなった昨晩の夕食でした。木下さんありがとう。

  「天然の ウナギさばいて 炭火焼き 何とも贅沢 つまみ喰いする」

  「匂い立つ 我が家はウナギ 隣から 羨ましいと 言ってるだろな」

  「包丁を 研いでウナギに メス入れる まるで実験 腹から針が」

  「気がつくと ウナギは捨てる ところなし 肝も骨まで 料理に使う」


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