○ピンチをチャンするにする言葉の魔力
私はこれまで、人と同じように何度か人生の壁にぶち当たり、その都度失望や挫折を繰り返しながら、その壁をどうにか乗り越えてきました。振り返ればあの日あの時、自分の人生を変える勇気を与えてくれた言葉が幾つもあり、ピンチをチャンするすることができた言葉の魔力に感心しているのです。
そんな言葉の中で極めつけは何といっても、静岡に住む北斗星人こと朝比奈博さんからいただいた、「ぼうふらも 人を刺すよな蚊になるまでは 泥水すすり 浮き沈み」という言葉です。
私が町を二分するような町名変更大騒動の責任を取るような形で、教育委員会から産業課へ移って間もなく、私の異動を風邪の噂で聞いた朝比奈博さんは、私に一枚の色紙を贈ってくれました。「ぼうふらも・・・・」の一説は私の心を動かし、向かい風を一心に真正面から受けていた私の心がくるり180度方向転換し追い風になった瞬間でした。
たしかに今の自分は泥水をすするようなぼうふら人生かも知れない。しかしその泥水を栄養にしていつかは人を刺すような一人前の蚊になりたいと思ったのです。今まで世間の目を気にして必死に生きていた自分がなんだかばかばかしくなり、それから4年自分でも驚くほど平常心になって、猛勉強に明け暮れたのです。とくにこの頃に読んだ本は数知れず毎日毎日読書だけは欠かしませんでした。今書棚に並ぶ本の殆どはその頃なけなしの財布から買ったものなのです。
この言葉を思い出しながら、言葉にはピンチをチャンスにすることができるとしみじみ思うのです。今私は人間牧場で友人とともに「年輪塾」という小さな私塾を開いていますが、この2年間民俗学者宮本常一の学びで多くの言葉を学びました。そして今年から始まった二宮尊徳の学びでも多くの言葉を学んでいるのです。
その中でも「積小為大」という言葉は、リタイアして縮もうとする自分の人生の生き方に大きな影響を与えようとしているのです。「積小為大」とは人は日々努力し速成を求めず、小事を勤めて怠らなければ、大事は必ず成就できるというのです。
私は近頃言葉の魔力を信じるために、好きな言葉をプリンターで打ち出し、張り紙にして見えるような場所に貼り付けています。これだけで毎日の生き方が随分替わってきたように思えるのです。
暇さえあれば歩くことを教えてくれた日野原先生の言葉も、今は私の健康の源となっています。
「あの言葉 出会わなければ 壁越えて チャンスを掴む こともなかった」
「人生は 言葉一つで 変わるもの 言葉の魔力 確かにあるな」
「もう駄目と 諦めていた その時に 一つの言葉 心動きて」