〇ソラマメが届く
田舎に暮らしていると色々な季節季節のおすそ分けが届きます。昨日も外出先から帰ると玄関にソラマメが一袋置いていました。誰からだろうと思い、自宅に一日中いる親父に聞くのですが、誰かが「食べて下さい」と持って来たことは覚えていても、「誰」だったかは聞いてもいちいち覚えていないのです。
毎年のことゆえ察しはつくので、持参者不詳のまま早速ボールを取り出してサヤ割り中からソラマメを取り出す作業を縁側の広敷きに座ってやり始めました。聞くところによると今年は春先の天候不順や寒さが堪え、例年になくソラマメは不作のようで、ふつうは3粒以上実が入っているもの以外は外品だとか聞いているのですが、それも規格外商品として高く売れるのだそうです。わが家に届いたソラマメは3粒のも2粒のも1粒のもあってまちまちですが、袋を開けると綿毛にくるまれたグリーン色の鮮やかなソラマメが勢いよく飛び出してくるのです。
ソラマメの実を剥き終わった頃妻が仕事から帰ってきました。「まあ皮を剥いてくれたの、ありがとう」と屋ッしい言葉が帰ってきました。「何処からもらったの?」「分からん」「分からんのに剥いだの?」「玄関に置いていたから多分〇〇サンからだろう」と、夫婦がいい加減な会話を繰り返しました。
妻はそれを子袋に入れて娘と息子の家へ持って行くよう勧めました。そして我が家で食べるものを早速調理し、残りは湯がいて冷凍保存しました。新鮮なソラマメは冷凍保存すると時ならぬときにソラマメの味を楽しむことが出来るので大助かりです。
「豆は頭が良くなるし豊かな心にもなる」と妻に説明してやりました。妻は「豆と頭や豊かさとどんな関係なの?」と不思議がって問い直しましたが、すかさず私は「頭は豆偏、豊かさの下に豆がる」とジョークを言うと「なるほどなるほど」と感心をしてくれました。
昨日の夜はソラマメの味と香りを存分に楽しみました。先日親友稲葉さんからいただいた初カツオと同じくソラマメも初夏の味がしました。豆類は少々下品な話ですが食べると通じがよく時々屁まで出るので、人の前では用心しなければなりませんが、間もなくエンドウの実も出回り、私の大好物なグリーンピースの豆ご飯が食卓に出るものと思われ、早速妻にリクエストをしておきました。
ところで昨日食べたソラマメの差し入れ主は一体誰なのでしょうか。ソラマメはもう私のお腹で腸内一巡り、下関へ(笑い)と直行しているようです。
「誰くれた 分からぬままに 調理して 今はいずこの あたりを旅す」
「豆と書く 頭も豊か 全て豆 せっせ豆食べ 利口になろう」
「ソラマメの 次はエンドウ 豆ご飯 初夏は美味しい 食欲そそる」
「家のこと 殆どしない 私だが 豆剥き妻に 褒められました」