〇蕗が美味しい季節です
春になると野山にワラビやゼンマイなどの山菜を求める季節も一段落して、山は静けさを取り戻しています。人間牧場に自生しているツワブキも日増しに緑が濃くなって、採る人もなくこのまま秋の黄色い花の季節まで見向きもされず放置されるのです。
ツワブキに変わって蕗が収穫の時期を迎えています。青々と大きく茂った蕗畑も、今年は冷害に遭って葉っぱが茶色に変色したり茎の伸びがいまいちでしたが、このところの陽気に誘われてぐんぐん成長し、今では立派な蕗となりました。最初に植えた時はほんの数株だったのですが、他の植物と違い蕗は次第にその領域を拡大して、今では人もうらやむような立派な蕗畑が出来ました。
草刈りに邪魔なため周囲は惜しいと思いつつ、草刈機で雑草とともになぎ倒してゆくのですが、余りにも見事な蕗なので、草刈の手を休めて収穫しました。毎年この時期になると蕗を近所や親類におすそ分けして喜ばれるのです。昨日は親類へ3軒、そして漁協女性部のじゃこ天の店へそれぞれ収穫した蕗を差し上げました。どちら様もたいそう喜ばれ、漁協女性部からはお返しにじゃこ天と魚のすり身をいただきました。
わが家は先日収穫したものを佃煮風に調理しているし、妻が利き腕を捻挫したため昨日は見送りましたが、毎日食卓で梅干とともに影の一品として名わき役を演じているのです。
(ストーブの余熱で美味しく炊き上がった蕗の佃煮)
蕗は収穫して持って帰ると早速調理にかかります。灰汁から手を守るために薄手の使い捨て手袋をはめ、根元から皮を剥いて行きます。皮を剥いたものを水を張った調理用バケツに入れて灰汁を取るのです。蕗の皮はツワブキと違い剥け易いので人束でも造作なことはありません。
向き終わると水洗いして火に掛け、一度沸騰したら茹ではえる灰汁を出すのです。少しの間水にさらし綺麗になったら、醤油と砂糖で味付けして煮詰めます。梅干をほぐして種を取ったものを4~5個入れると日持ちもよくすっぱい舌触りがお茶漬けやお茶うけなどに合うのです。タッパに入れて冷蔵庫で保管すれば1週間は大丈夫なので、これからもせいぜい調理して食べたいと思っています。
「毎日の 食卓飾る 脇役は 蕗の佃煮 梅干入れて」
「ちょっとした 工夫があれば 楽しくて 田舎暮らしは だから止めれぬ」
「人束の 蕗を差し上げ 喜ばれ お返し物に 二重喜ぶ」
「蕗料理 レシピも要らず サジ加減 妻の腕前 プロのようです」