〇「勇魚」と書いて何と読む?
「『勇魚』と書いて何と読むか?教えてください。」という面白い話が、町内に住む私の友人から持ち込まれました。その人は私が水産高校を卒業していることを知っている元漁師のおじさんで、これまでにも色々な得体の知れない魚が網にかかって上がる度に、「これ何という魚?」とか、「魚偏」のつく漢字の読み方を尋ねられるのです。学者でもないし水産高校を出いるからといって、別に特別な知識がある訳でもないので、その都度一緒に考えて、一応の結論を出してきた経緯もあるので、今回の質問と相なりました。
さて皆さんはこの字を何と読むか、またそれはどんな魚なのかご存じですか。これは私が水産高校で学んでいた60年前、国語の先生に秋田忠俊先生という民俗学研究の県内第一人者がいて、国語に時間に教えてもらった「魚と漢字」という話を今も覚えているので、即「この漢字は『いさな』と呼びます」と言うと、そのおじさんは怪訝そうな顔をして「何で『いさな』と詠むの?」と不思議そうに質問しました。「勇は新選組隊長の近藤勇という人がいたが、『いさむ=いさ』で、太平洋に面した地域では鯨のことを『いさ』、魚のことを『な』というので、『いさな」は『鯨』のことです。」と説明すると、「進ちゃん、あんたは賢い」と褒めてくれました。「エヘン、どうだ参ったか」でした。(大笑い)。
海には色々な魚がいます。魚も大きくなるにしたがって鰤のように名前を変える出世魚もいます。また魚偏に当て字を書いたような紛らわしい名前の魚もいます。私たちの町の前に広がる海にも沢山の魚がいますが、この海の水温がこの10年ほどで年間1~2度高くなっているそうです。1~2度は100㎞南の水温と同じだそうで、最近は地球温暖化を感じさせるように、たまに見たこともないような南の海にしかいないはずの魚が獲れたり、ハリセンボンのようなフグが海岸に漂着したりすると、その元漁師さんはついで話をしてくれました。海岸に漂着するプラスチックゴミも気になる今日この頃です。
「元漁師 勇魚と書いて 何と読む 私にいきなり 聞かれ戸惑う」
「60年 前に水産 高校で 国語の先生 授業で話す」
「覚えてた 鯨別名 読み方を さすが利口と お褒めの言葉」
「気になるが どうすることも 出来ないと 嘆きの海を 見ながら話す」