人間牧場

〇梅が開花しました
 寒い年は花の開花が遅れると思いきや、寒さに目覚めたのか、わが家の庭の梅の花が咲き始めました。他の花ほど派手さはありませんが、咲いた梅の花は凛としてどこか気品さえ感じられる花です。花の近くに鼻を寄せると、芳しい香りが漂ってきます。

 この地に土地を構え家を新築してから50年、半世紀近くの歳月があっという間に過ぎ去りました。その間同居していた祖母や父母を黄泉の国へ送り、私自身も無我夢中という言葉がぴったりするような忙しさの中で、まるでマグロのように動き回り、季節を楽しむ余裕など殆どありませんでした。

 人生の終盤に差し掛かったゆえ、そろそろ余裕をもって生きたいと思った矢先、去年は2度にわたって入院手術を行い、加えてこの2年間は新型コロナに翻弄され続け、心の中に隙間風が吹きましたが、幸い不要不急の外出自粛や闘病生活で自分の居場所を少なからず見つけれたような感じがしています。

 季節を楽しむ、暮らしを楽しむ、余生を楽しむ、今年はとりあえずそんな楽しみを求めて見ようと思っています。これまでは「成せばなる」と思い込んであれこれを手に入れてきましたが、これからは「成らぬものはならない」もまた生き方だと思っています。人知れず咲き匂いを発する梅の花に、人生の大切さを気づかされたようでした。

「庭の隅 今年も梅の 花が咲く おそらく去年も 咲いただろうに」
「この土地に 家を構えて 50年 私は何を したのだろうか?」
「半世紀 あっという間に 過ぎ去って 自分の未来 日に日に減って」
「なせば成る そう思いつつ 生きて来た ならないことも 意味あるようだ」

 

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