人間牧場

〇すりこぎは人生に似ている
 昨年長野県南牧村に住む親友今井さんから、立派な長芋を送って貰いました。長芋はすりおろしてとろろにして熱々のご飯にかけたり、うどんやそばにすりおろして山かけにして食べますが、私は酢醤油で味付けしたのが好きで、美味しくいただきました。山芋料理の時は私も駆り出され、妻がすり鉢を持ち、私がすりこぎを使ってすりながら味を整えるのです。

 山椒の木でできたすりこぎを使いながら、ふとすりこぎは人生に似ているような気がしました。すり鉢はご存じのように外側は釉薬を塗ったツルツルの焼き物ですが、内側には波紋が施されていて、すり鉢とすりこぎの摩擦で中に入れた具材がすり潰されて行くのです。多分固い山椒の木でできたすりこぎは、目には見えないけれど、先端の丸い部分は少しずつ削られて行くのです。

 すりこぎは使えば使うほど身は細くなって行きます。多分自分の身にこれまであった、自宅の新築や子育て、仕事、勉強などなど、どうにか超えてきた試練ですりこぎたる自分の身は細くなりましたが、幸い受け手のすり鉢になった妻や家族、それに身の回りの人たちによって、こぼれることもなく擦り続けてこれたのですから感謝しなければなりません。

 一番大事なことは、すり鉢とすりこぎで作った食べ物が曲がりなりにも美味しくできたことかも知れません。昨日の夜残った最後の一本の長芋をすりおろし、妻と二人で美味しくいただきました。すりこぎ人生はこれからも死ぬまで続くことでしょう。

「長野県 住む親友が 長芋を 送ってくれて すり鉢でする」
「頼まれて 私すりこぎ 手に持って 山芋ゴリゴリ ストーブの前」
「すりこぎは いつの間にやら 身が細る 自分の人生 似ているようだ」
「長芋を すってとろろに して食べる 美味い美味いと 破顔一笑」 

[ この記事をシェアする ]