〇別名「夕日花」と名付けた「酔芙蓉」の花
晩夏から初秋にかけて咲く花の数はそんなに多くありません。ゆえにその季節に咲く花を植えると話題になるかも知れない?と、考えついて植えたのが芙蓉の花です。芙蓉の花には色々な種類があるようですが、シーサイド公園周辺に植えているのは一重咲きのピンク、白、八重咲きの白い酔芙蓉の概ね3種類です。海岸国道にバイパスができた折、法面に何の花を植えるか、当時まちづくりで花咲くまちづくりを推進していた私に、土木事務所の担当者から相談があり、是非芙蓉の花を植えて欲しいと頼みました。長い法面に芙蓉の花を植えるのは予算的に無理があると難色を示しましたが、強く要望した結果ピンク系の芙蓉の小路が誕生したのです。
それに呼応するように、シーサイド公園と国道の間の法面に酔芙蓉を植えました。実はこの花は越中富山の盆踊りで有名な町を紹介した、小説に出てくる珍しい花なのです。何が珍しいかといえば、朝真っ白い花を咲かせますが、時間が経つと昼過ぎから花がピンクになり、夕方真っ赤になって萎むのです。まるでその名のとおりお酒に酔った人の顔に似ていることから、私はこの花を別名「夕日花」と名付けました。小さな苗木を植えましたが、今は枝葉が繁り、この季節になると立派で綺麗な花を沢山咲かせて通りかかる人の目を楽しませてくれるのです。この花が何という名の花であるかや、花の色が一日のうちで変化することなど知らない人もいますが、この花を愛でたり写真や絵で表現したりする人もいるから驚きです。
昨日シーサイド公園に、お店を構えるじゃこ天の松本部長さんから電話が入り、「私を知っている人がお店に訪ねてきているのでお声でも!」とのことでした。家で野菜の苗の植え付けをしていた私は手を休め、5分ほどでその人に会いに行きました。2人の中年の女性でした。その素早い対応に驚いた様子でしたが、聞けば県の女性総合センターで私の話を聞き、数年前バス一台で私の家にまで見学に来たとのこと、また一日三枚のハガキを書いている話を私がしたので、ハガキを送ったところ、私からも返信が届いたらしく嬉しく、忘れることができない思い出のようでした。雑談や四方山話をして、次回は人間牧場で再会しようと約束をしお別れしました。帰宅途中酔芙蓉の花を散策しながら一人で愛でました。美しい花も今が盛りで、そろそろ終わりに近づいているようでした。
「バイパスを 造った時に お願いし 芙蓉の花を 沢山植える」
「酔芙蓉 朝は白だが 昼ピンク 夕方真っ赤 萎んで落ちる」
「酔芙蓉 その名のとおり 酒飲んだ 人のようだと 実感しつつ」
「酔芙蓉 この花々にも 物語 語れば長い 曰く因縁」