人間牧場

〇人間牧場開設10周年(その2)

 人間牧場を造ってからこの10年の間には、色々なことが沢山ありました。幸い私が健康だったため、過酷とも思える草刈り作業も運営も無難にこなして来ましたが、気がつけば私も昨日で71歳です。車に乗って人間牧場へ作業や活動に行くためには、おおよそ80歳くらいが限界かなあと想像していますが、だとするとあと10年程度で息子にバトンタッチをしなければなりません。息子はただいま42歳です。仕事に熱中しなければならない年代なので、そうそう私の満足するような手助けはできませんが、そろそろ色々なことを伝授し始めないと、私の身が持ちません。

建前当時の人間牧場
建前当時の人間牧場
水平線の家の屋根葺き作業風景
水平線の家の屋根葺き作業風景

 幸い息子は人間牧場の諸施設の設計を担当したので、折に触れウッドデッキに防腐剤を塗ったりしながらメンテナンスもやってくれています。10周年記念事業をするに当たって息子は、外壁のあちこちにキツツキによって無数に開けられた穴を、見苦しいからと大工さんに頼んで潰してもらっていたようです。また少し不具合のあった囲炉裏の蓋も修復してくれていました。さらに昨日は10年前水平線の家のウッドデッキを造った際、若嫁の協力を得て防虫ネットで作った蚊帳を、ステンレス製パイプを取り付けた上に被せて、交流会の雰囲気作りや藪蚊対策をしてくれたお蔭で、とてもいい雰囲気の交流会が持てました。

 私と激しくぶつかったロケーション風呂も、息子の意見を通して2階建てにしたところ、豊田漁港の眺望とともに足湯ができる設計は、来訪者に大好評で、息子に軍配が挙がりました。またツリーハウスも息子が「樹に付加を掛けることは如何なものか」と対立し、息子の意見で樹を抱かかえるようにしたことも今にして思えばもっともなことでした。ツリーハウスは私が代表を務める21世紀えひめニューフロンティアグループが資金面のスポンサーになってくれ、素敵な施設となりました。その後増えたかまど小屋やピザ釜を加え、今年の春自分でブロックをついて造った腐葉土ストッカーも来年はカブト虫の養殖場として生まれ変わる予定です。

 10周年を迎えたつい最近、多くの人から「あなたの人間牧場での次の目標は難ですか?とよく聞かれます。資金があればまだまだやりたいことはいっぱいありますが、気力と体力の衰えつつある年齢のことを考えると、そろそろこれが限界かな?とも思っています。息子は貪欲で時々、「お父さん〇〇をしたらどう?」と持ちかけられますが、息子と私のブレーキ役はもっぱら妻と若嫁の女性群で、「これ以上造るとお父さんの体の健康が心配だ」と二人の前に大きく立ちはだかるのです。人間牧場を氷に例えるなら私の理想とする人間牧場にまだ10パーセントしか出来上がっていません。親父が存命中作ってくれた作業小屋もそろそろ手狭になってきました。

  「オーナーの 私が資金 息子ただ 知恵出すだけで 汗まで私」

  「親よりも 子どもの意見 最もと 今頃気付く 愚かな親父」

  「これ以上 やらないように 妻が言う 若嫁までも 立ちはだかって」

  「あと10年 車に乗れなく なる日まで 一生懸命 頑張り抜いて」

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