○劇団イリュージョンの公演
幻影、幻想、錯覚、特に芸術作品における意識的な錯覚のことをイリュージョンといいますが、愛媛県の県庁所在地松山市に、このイリュージョンという名前のついた劇団があります。毎年夏休みのこの頃になると、劇団員である次男息子とそれを支援する妻の手によって何枚かのチラシと前売り券切符が届き、私も寸暇を惜しんで殆ど毎年この夏公演演劇を見に行くのです。会場はコミセンホールや市民会館中ホールなのですが、25周年を迎えた今年は市民会館中ホールでした。
猛暑日となった残暑厳しい昨日は、11月に予定されている地域社会教育実践交流集会の実行委員会が愛媛大学構内であって、私はそこから会場まで直行して6時に、開場を待つ長い長蛇列の中に加わりました。
次男息子が劇団イリュージョンの団員になったのは、高校1年生の時でした。松山工業高校機械科に進学してサッカーやラグビーなどの部活に入ったものの、長男のような体力がなくて、また長男に比べ口数も積極性もない次男を見て長男が、勝手に劇団のオーディション受講の葉書を出してしまったのです。「僕は絶対に行かない」と固辞していた次男が長男の説得に負けてオーデションに参加したのです。ところが不思議なことに、そのオーディションに合格してしまい、やがて次男は劇団員とし初舞台を踏むことになったのです。昭和51年生まれの次男は現在34歳ですから実に18年間も、しかも社会人になった今も劇団員として舞台に立ち続けているのですからわが息子ながら立派というほかないのです。今は看護師として日赤松山病院に三交代勤務しているためかつてのような自由は利きませんが、劇団代表の井上佳子さんの信頼も厚く、舞台監督や振り付けにその名を連ねているようです。
さて、今年は「八月のアリス」という題名です。ストーリーは「高熱を出し、病院で目を覚ました少年が、うさぎ男に促されるまま着いたところは、四人の少女たちが楽しそうに集まりお話作りしている朝の庭だった」というところから物語が始まり展開していくのですが、途中休憩もなく2時間余り続く楽しい場面に、妻や妻の友人もすっかり引き込まれてしまいました。
公演やカーテンコールも終わり、例年通り玄関先で舞台衣装や化粧をしたまま交流する息子の姿を見て、少し胸が熱くなりました。妻は今日も友人を誘って息子の追っかけのように再度見に行くそうですが、私は双海少年少女面白教室子ども体験塾のプログラムで石鎚登山に出かけるため加わることが出来ないのです。
まあ何はともあれ病院の三交代という激務と演劇を両立させている次男のひたむきな生き方に、わが息子ながら敬意を表したいと思います。次男は誰に似たのでしょうか?。
「学業や 仕事しながら 演劇を 続ける次男 誰に似たのか」
「演劇の 常識破る イリュージョン 私の感性 少し高まる」
「わが息子 舞台監督 名を連ね 今更ながら 継続力」
「八月は 私と妻の リフレッシュ 友を巻き込み 観劇席に」