○五行歌の歌会に参加
私は生来の無骨者にて、音楽や絵画などを楽しむ趣味の世界は知りません。ましてやゴルフをするような暇と金もなく、もっぱら地域づくりやボランティア活動の分野で生きてきました。そんな私の周りには絵や音楽、焼き物などに堪能な人が沢山いて、いつも羨ましく思っていました。最近になってその友人知人の中でも、羨ましいほど多芸に秀でた水産高校の先輩玉井恭介さんから、「五行歌の会に参加しないか」とお誘いがありました。私は無趣味が趣味でそんな風流なことをする暇も金もないと一度は断わりましたが、「私が年会費は立替払いしとくから、月に一度作品を送るよう」にとむしろ半強制的に入会させられました。私は立替払いの年会費のことが気になって3度も玉井さんの家に出かけましたが、3度目の正直も実らず未だに借金していて、昨日もあいにく貧乏人なのに1万円札しか持ち合わせがなく、お釣りがない玉井貧乏人に支払うことも出来ずまたまた借金して帰ってしまいました。
そんな玉井さんから、「あなたの日程に合わすから是非臨時の歌会に参加を」と電話があり、玉井さん宅へ出かけて行きました。昨日は新玉小学校で金銭教育の会議があっての帰りでしたが、少し時間が早かったので地域政策センターへ立ち寄ったり、息子の家で孫と遊んだりして少し早めに玉井さん宅へ到着しました。
玉井さんは昔人間にしては器用な方で、私たちを振舞うためにうどんや野菜サラダ、ナスやオクラの南蛮漬け風などなど、自分で美味しい料理を作っていました。料理は作るにあらず食べるものと決め込んでいる私に玉井さんのかいがいしく料理する姿は羨ましくも思えました。
やがて歌会主宰者の見山あつこさんと北条で耳鼻咽喉科の医院を営むお医者さんの二人が見えられ、四人で楽しいおしゃべり食事が始まりました。玉井さんの作ったぶっかけうどんも絶品で、お医者さんが持ってきた太巻き寿司も大いに胃袋を楽しませてくれました。
見山さんの進行で歌会は始まりました。前もってメールで送っておいた提出九句が打ち直してコピーされていて、審査表と一緒に配られました。5点の持ち点を自分の投句以外の優秀句と思われる3首を選んで加点しました。採点票が集められ一句一句門名が批評し合うのです。
私の句も未熟な句のため一刀両断鋭い指摘を受けました。なるほどとみんなの批評を聞きながら、良い勉強をさせてもらいました。
昨日の句会で楽しみにしていたのは、見山さんとの出会いでした。月に一度駄作な欠席句にもきちんと批評文を添えて送ってくださっているのです。私は始めての出会いだと思っていましたが、何年か前ラジオの番組で出会ったことがあるそうですが、想像以上に素敵な方でした。また同席したお医者さんともライオンズクラブでお話をした私の話を聞いたことがあるそうで、すっかり親しみやすく先生と意気投合してしまいました。
いい句会に参加させてもらったことを玉井さんに感謝しながら、蒸し暑い我が家へ帰ってきました。
「柄になく 句会参加の 自分見て どこかお澄まし 思わずニヤリ」
「逢いたいと 思った人に 会えました 描いたとおり いやそれ以上」
「テキパキと 寸評グサリ まな板の 上に乗せたる 駄作調理す」
「一芸に 秀でる人は 多芸にて 料理絶品 胃袋たまげ」