〇人間牧場10周年記念年輪塾公開セミナー&10周年の集い(その2)
人間牧場で開いている私塾年輪塾は、ただ今四期目を迎えています。宮本常一、二宮金次郎、ジョン万次郎と続いた先人の学びを、四期目は近江聖人中江藤樹としています。今年の夏年輪塾の修学旅行に出かけた青木晴美さんから、お土産に全紙タイプの和紙に書かれた藤樹書院発行の、「近江聖人中江藤樹先生の教え」をいただきましたので、おさらいのつもりで紹介しておきます。
近江の国(滋賀県)でお生まれになった中江藤樹先生は、郷土の人や藤樹書院に集まってくる人々と共に、人間として大切な道を学び、その道を実行し、近江聖人とたたえられました。先生は次のようなことを教えてくださっています。
致良知(ちりょうち)
人は、だれでも「良知」という美しい心を持って生まれています。この美しい心は、だれとでも仲よく親しみ合い、尊敬し合い認め合う心です。ところが人々は、次第にみにくい、いろいろな欲望が起きて、つい良知をくもらせてしまいます。私たちは、自分のみにくい欲望に打ち克って、良知を鏡のようにみがき、その良知に従い行いを正しくするよう日々努力することが大切です。
孝行(こうこう)
私たちの心や体は、父母からうけたものであり、父母の心や体は、先祖からうけつがれたものであります。それはもともと、大自然から授かったものです。孝行とは、父母を大切にし、先祖をとうとび、大自然をうやまうことです。そのためには自らの良知をみがき、身体をすこやかにし、行いを正しくし、家族やまわりの人々と仲よく親しみ合うことが大切です。さらに、子どもをあたたかい心でしっかりと育てることも孝行です。
知行合一(ちこうごういつ)
人々は、学ぶことによって、人として行わなければならない道を知ることができます。しかし、学んだだけで、それを行なわなければ、ほんとうに知ったことにはなりません。物事をよく理解し、実行してこそはじめて知ったことになります。
五事を正す(ごじをただす)
五事とは「貌言視聴思」を言い、それを正すことは、なごやかな顔つきをし、思いやりのあることばで話しかけ、澄んだ目でものごとを見つめ、耳を傾けて人の話を聴き、まごころをこめて相手のことを思うことです。ふだんの生活やまわりの人々とのまじわりの中で、自ら五事を正すことが、すなわち良知をみがき、良知に到る大切な道です。
藤 樹 書 院
「親友の 女性旅行の お土産に 和紙に書かれた 藤樹の教え」
「おさらいの つもりで四つ 教え読む 良知・孝行 知行合一」
「五事正す 加えた四つ なるほどと 心に刻み 毎日実践」
「四百年 前に生きたる 先人の 教え陳腐化 せずに斬新」