shin-1さんの日記

○石鎚登山④

 苦しかったけれど子どもたちの頑張りで全員が登りきったため、下山は楽勝と思っていました。のぼりは1班から5班としましたが、帰りは5班を先頭にして1班をしんがりにしました。ところが私に続く5班はしっかりと着いてくるものの、600mの西条との合流地点で足を痛めた子どもがいて、大幅に遅れ始めました。このまま足を痛めた子どものペースで歩くと元気な子まで体力を消耗するので、私の判断でその子を最後尾にして体力のあるリーダーをつかせました。もしも歩けなくなったらおんぶして下山するしか方法がないのです。そのうち頭が痛い子や戻してしまった子、トイレがしたい子などが出てかなり心配しましたが、園子たちを後ろに回して、本隊は予定通りのペースで減算したのです。ゆっくりペースを守った4、5人も20分ほど遅れて無事下山することが出来て、土小屋の建物の前で最後の子どもを迎えた時は思わずホッとしました。

 一番しんがりで体調不良の子どもたちを励ましてゴールしてくれた松本さんご夫妻に感謝します。一番前を歩いて引っ張りながらゴールするのも、一番最後尾で後押ししてゴールするのも同じような心配があります。でも最後尾で頑張る子供やリーダーの存在はとても勇気付けられました。この話は今晩の「夕焼け村の」夕日の話

で紹介したいと思っています。

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(やっと辿り着いた土小屋)

 土小屋付近は相変わらず霧雨が降っていましたが、早くも秋の訪れを告げるようにアキアカネトンボが群れを作って飛んでいました。下界より早い秋の訪れを感じさせてくれるように、秋の七草であるススキの穂も出始め、葛の花や萩の花も満開のようでした。

 しかし登山道の道端に目を向けると、様々な高山植物の花が咲き乱れ、目を楽しませてくれました。途中で植物観察をしている高知大学理学部の学生さんたちに出会いましたが、その気になって見れば20や30種類は見つけられるほどの多さです。植物に関心がある人にはたまらない魅力なのでしょうが、登山というきつい目的のために、足元の美しい光景など見えなかったのが残念でした。

 又歩いていると、樹間に見事な遠望が開けることがあります。昨日は西条付近の市街や瀬戸内海まで眺望が開け、みんな疲れを忘れて「綺麗」と感嘆の声を上げていました。

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 登山道を歩いているとよく人に出会います。親子連れ、夫婦連れ、仲間連れなどなどですが、時には一人で歩いている人に出会います。熊除けの鈴をつけたりしている人にも出会いました。お互い声をかけ、「ご苦労様」とか『頑張って」などと励ましの言葉も貰います。縁もゆかりもない人たちなのにです。

 昨日の下り道で珍しい顔見知りの夫婦に出会いました。役場に勤めていた時、県からの出向で建設課に来られていた西条の菅野さんです。もう10年近く出会っていなかったのですが、お互い汗をかきながらの出会いに思わず嬉しくなりました。在職中に菅野さん宅へ出かけ西条祭りを見学したり自宅ですっかりおご馳走になったことがあるのです。奥さんも「いつも新聞やテレビでご活躍のご様子は」と気軽に声を掛けていただきました。

 山は思わぬ出来事や思わぬ人に出会います。これもまた山歩きの楽しみでしょうか。

 何はともあれ全員元気で下山し、待機していた奥島観光のバスに乗り、美川道の駅、砥部焼き観光センターでトイレ休憩をして6時過ぎ夕闇迫る双海潮風ふれあいセンターに帰ってきました。

  「登るより 降りるは楽と 思ったが 故障者二三 少々遅れ」

  「道端に 高山植物 咲き誇る 歩くの必死 見る余裕無し」

  「あれが海 あれがススキと 説明を するも耳など 貸さず黙々」

  「登山道 懐かし人に めぐり合う 別れた道を 次第に離れ」

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○西日本最高峰石鎚山登山③

 私はこれまで石鎚山に5回くらいしか登っていません。しかももうかなり前のことなので、当時の記憶は断片的でしかないのです。やはり記録しないことは記憶されないのでしょうか。そういう意味では今回の登山は短いコメントながら記録する絶好の機会なのです。

 前日の夜のミーティングで石鎚登山について色々と打ち合わせをしました。天候判断、健康判断など状況を判断する幾つかのポイントを話し合いましたが、夏山シーズンも終わりに近づいたこの時期の天候は変わりやすく、私たちのような海沿いに暮らす人間には、気象情報が進んだ現代とはいえ計り知れないものがあるのです。

自然の家を出るときは曇り空でした。石鎚スカイラインに入るとバスの前が見えないほどの霧雨でした。不安が過ぎりましたが、「山のことは山の人に聞け」といわれるように、まず自然の家の職員さんに天気具合を聞き、また登山最前線である土小屋に勤める人の話も聞いた結果、登山を注視するほどではないという最終判断から、ら、登山を決行することにしました。

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(一列になって登山道を進む一行)
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(途中休憩場所で休憩する一行)

 今回の登山では比較的登山経験の多い私が先導役を努め、子どもたちを挟んだ最後尾は事務局の赤石さんがついて対応処理することになりました。私は子どもたちの体力のことを考えて、片道4.6キロをいかに疲れず安全に歩けるように心を配りました。65歳の私の体力が小学生程度であることも功を奏したようです。

 途中見晴らしの良い場所に設置している休憩所のような場所3ヶ所で給水休憩を取りましたが、ぬかるんだ登山道は石段や丸太を組んだ場所が沢山あって、雨に濡れて滑りやすく子どもの中には足を滑らせて転ぶものもいたようです。西条側の登山道と合流する4キロ付近までは、尾根を歩くコースなのでそれほどきつくはないのですが、後の600mは難所中の難所で1~3の鎖の道が続くのです。しかし天候のこともあって私たち一行は迂回路を選びましたが、綺麗に整備された迂回路でさえもきつく、山頂についたころには2時間半の登山で疲労も極限だったようです。でも全員列を乱すこともなく山頂に登ることができました。

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(最後の難関一の鎖付近の迂回道を進む一行)
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(実が得た頂上付近に夏空が広がりました)
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(ほんの一瞬天狗岳が見えました)
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(頂上付近で昼食を取る子どもたち)

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(頂上に設置してある方位板)
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(頂上の看板には1982mと石鎚山の高さが刻まれていました)

 ラッキーなことに山頂に到着すると一気に天気が回復して吹き上げる冷たい風に体を冷やしながら下界のす場らしい眺望を味わうことが出来ました。山頂では30分間昼食の時間を取り、思い思いの場所で自然の家で作ってもらったベントに舌鼓を打ちました。そのうち山の天気は一変し雨が降り出しました。トイレを済ませ持っていた合羽を着て下山を開始しました。


  「降水の 確立聞いて 戸惑うが どうにか全員 石鎚登る」

  「先達に なった気分で 前歩く 後気にして 4,6キロ」

  「山がある だから登ると 言うとおり 理屈は要らぬ とにかく登る」

  「近いじゃん 4,6キロ 聞いた子が こんなに遠い 思わなんだと」

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