○伊能忠敬フロア展①
何ヶ月か前、伊予文化協会の会長である門田真一さんから、伊能忠敬の測量した地図の展示会を伊予市で行う話を聞いていました。また双海史談会でも伊能図に関する研究者を招いた学習会があり、四国で初めて伊予市のしおさい公園体育館であるフロア展を楽しみにしていました。
フロア展は8月6日から8日までの3日間でしたが、青少年を対象にしたおもしろ一日大作戦でも、高齢者教室とタイアップして、高野川から伊予市森まで伊能忠敬が測量のために歩いたと思われる海岸線を、歩いてフロア展を見に行こうと、二日目の7日にその小さなイベントが行われました。
日本列島全体が猛暑日を記録するような日のイベントなので、高齢者の殆どはバスで直接しおさい公園まで行きましたが、子どもや大人が約30人約一時間半をかけて高野川から森の黒磯海岸を汗をかきながらひたすら歩きました。
三秋峠の現在の道が通じていなかったころは、私たちの町から松山方面へ行くのには海路か海岸線を徒歩するしか方法がなかったのです。私の親父など固陋の話を聞くと修学旅行は松山方面でこの海岸の道を一泊二日で歩いていったとのことでした。
今は道路の立ち退きで無くなった旧海楽園の表の海岸に降りる急な道を通って、渇水期で水の少なくなった高野川川を渡り9時半頃一行は海岸に出ました。この日は運よく潮が引いていて、所々生い茂った雑草や雑木が作る木陰浜部分を利用しながら進みました。午前中といいながら夏の日差しがきつく、汗をかきながら時々休んだり、時には素人ながら私が沖合いに浮かぶ島々の話や、海岸の埋もれ木などの話をしながら、極力楽しく遊びながら歩きました。
中でも愛媛県の天然記念物になっているメタセコイアの化石の露出した部分を囲んで改札学習をしたりしましたが、海岸の所々は地すべり地帯ということもあって、今年の梅雨の雨で崩落を繰り返していて、その土分が海岸に流れて海の水を茶色く濁らせていました。土分が海に流れ込むと貝類や海藻類に甚大な被害をもたらし、時には死滅することだってあるのです。
また扶桑木(メタセコイア)の化石も露出風化や土分によって埋没して、手だてもせず放置されたままになっていました。このままだと残念ながら貴重な資料がなくなる危険性もあるようです。
海岸は生息する動植物や流木をはじめとして見方によれば結構面白いものです。何かに似た石や流木を見つけて歓声をあげましたが、最後は手段の列が一際長くなり、森に到着したころは少々バテ気味でした。それでも貴重な体験をしたと参加者は一応に皆さん喜んでいたようです。
「その昔 父母の歩いた 海岸を 猛暑汗出し 一歩一歩と」
「海岸線 伊能忠敬 測りつつ どんな思いで 歩いたのだろう」
「足元を 見れば炭化の 埋もれ木が 興味津々 暑さ忘れて」
「あの島も この島だんだん 形変え 私の横を 同じ速度で」