〇スイカの一番成り
今年の4月中旬、病院のロビーでかつて役場で一緒に働いていた年下の友人と出会いました。彼は定年退職後再雇用を断わって晴耕雨読の道を進みましたが、最近膀胱炎を患い治療をしているとのことで、好きなお酒も少し控えているようでした。私より三つも歳が若いのに少し老けた感じもしましたが、私も他の人から見ればあんな風に見えるのかと、納得しながらロビーで順番を待ちながら世間話に花を咲かせました。
彼は非農家ながら畑仕事と釣が唯一の趣味で、退職前から田圃を借りて米を作ったり、畑で作ったものを近所の直売所に持ち込んで小遣い稼ぎをしているようでしたが、今回の病気を機に米作りは今年から断念するようでした。
家庭菜園で野菜を作っている私は、彼の話を興味深く聞きました。特に小玉スイカ作りは簡単に出来るからやってみては勧められ、早速夏野菜の苗を植える頃、小玉スイカの苗を4本、彼の口説明の通り植えて見ました。苗の上にタケヒゴでビニールを被せ、苗が1mくらい伸びたら芯を止めて3~4本のつるを伸ばし、敷き藁を順次敷いて行くことも教わりました。藁は親父が近所の農家から家庭菜園用に貰っていたものが倉庫の隅で邪魔になっていたので、これ幸いとばかりに使い、今のところは順調に言われたとおりつるが延びていますが、この場に及んで藁が不足してしまいました。前日収穫したタマネギの切り落とした葉っぱも畑に敷いて、まあ何とか様になっているようです。
数日前何げなくスイカの畑を見ていると、何やら拳大のスイカが目に留まりました。多分一番成りのスイカではないかと思われます。嬉しくなって辺りを見渡すと小指大ほどのスイカの赤ちゃんもちらほら見えるようになりました。私の今年の目標は1本のつるに5個、4本で20個です。スイカが大好物の私のために妻は夏になると、スイカの名産地東峰へスイカを買いに出かけて、美味しい山スイカを食べさせてくれるのです。今年私のスイカ作り作戦が当たれば、毎日1個食べても20日間は食べ続けれる算段です。取らぬ狸の何とやらと言いますが、果たして目論みどおり美味しいスイカが出来るかどうか、今年は瓢箪から駒ならぬ病院ロビーからスイカで、何かと楽しみの多い夏になりそうです。
「病院の ロビーで四方山 話乗る スイカ作りに 初めて挑戦」
「敷き藁の 上に一番 成りスイカ いやはや嬉し 今年の夏は」
「目標は 4本20個 目指してる スイカ三昧 指折り数え」
「敷き藁の 不足補う 茅刈りに 今日でも行こう 作戦練って」