人間牧場

〇今日21日はお接待の日です

 毎月やって来る21日は、わが家の40年近く続いているお接待の日です。この日は前の晩妻が用意した赤飯を朝一番に炊いてパックに詰め、親類や近所へ配るのです。21日は弘法大師空海の命日とされていて、今年は四国遍路が開かれて1200年という意義ある年のようです。
 今時何故そんなことをするのか、不思議がる人もいますが、わが家がこの地に土地を求め家を建てて住み着いたのは、今から40年前です。田圃だった場所を埋め立て造成して敷地を整え家を建てる時、入口の路傍にお地蔵さんが無造作に置かれていました。信仰心の厚い祖母や父母は見るに見かねて、進入路を整備する時道の上に小さな祠を親類の左官さんに頼んで造ってもらい、お祀りをするようになったのを機にお接待を始めたのです。

 お接待は最初母がやっていましたが、その後妻が引き継ぎ、今ではすっかりわが家の恒例行事となっていますが、縁日には親父の作った幟を立てたりしていたものの、その幟も風雨にさらされて破けてしまったため、今は3月21日の縁日だけにしています。このお地蔵さんは首から上の病気に霊験があるそうで、頭も顔も悪い私はお地蔵さんに時々手を合わせているので、顔も頭も普通の人並みをどうにか維持しているようです。(大笑い)
 さて今朝も妻はいつもより少し早起きして、2升炊きのガス釜で赤飯を炊いています。その匂いが私の書斎までかすかに匂って、縁日の朝であることを知らせてくれています。いつものことですが、毎月一回ながら38年間もよくぞ続けてくれたと感謝の気持ちでいっぱいです。

 これまで、妻は5期15年に渡って地元の民生委員をやったことがあり、その折独居老人の元へ毎月安否確認のつもりで、私が赤飯を配り続けて大変喜ばれた時期もありました。また今は一人暮らしの従兄弟の家にも持って行きます。今朝も赤飯を届けて久しぶりに近況を話し込みました。この歳になると親類の人との交流も途絶えがちになりますが、お陰様で赤飯を仲立ちに一ヶ月に1回親類との交流も生まれ、これも弘法大師様のお陰だと喜んでいます。
 これから先何時まで続くか分りませんが、せめて妻が赤飯の炊ける元気な間は続けて行こうと思っています。今日は赤飯のお礼にと色々なものを貰って帰りました。目出度し目出度しの午前中でした。

 

 

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