人間牧場

〇6月の五行歌

 季題や季語、それに俳句のような5・7・5などという縛りのないのも魅力である五行歌を嗜み、松山五行歌会に入会していますが、毎月1回代表の見山さんから提出の督促が来る劣等生ながら、毎月初めにその結果が送られてくるのを楽しみにしています。
 その中で私が一番気に入った今月の歌は出席歌の部三席塚田三郎さんの次の歌です。
  どこも悪くないのに
  体調不良
  「加齢ですな」
  と医者はいう
   先生、それって治ります?

 いやあこの歌は面白いです。病気でもない加齢による体力減退、直るはずもないのに、お医者さんに治りますか?と尋ねるところが山葵が効いて、私が毎日2本のブログの末尾にそれぞれ4首ずつ書いている、笑売啖呵など及びも付かない出来栄えです。ちなみに私の今月の出題歌は次の一首でした。
  教養いえいえ
   今日用です
  教育いえいえ
        今日行くです
  それだけでし・あ・わ・せ

 私の歌に次の講評が添えられていました。
 「☆パソコンを使っていると、時に予想しなかった漢字変換になります。この歌はそうではなく、作者の頭の中で生まれた同音異義語なのでしょうが、頭の体操を楽しんでおられるようで面白いですね。教養も教育も子どもたちには明日のためですが、高齢者にとっては「今日」を楽しく生きるため、そんなメッセージが伝わって来ます。」
 言い得て妙なる講評の文章に納得しました。ちなみに今月の第一席は次の二首でした。私はまだまだ。
  障子を破って        濃青の水面に
  騒いでいる         辺の桜が
  双子のやんちゃ坊主     おじぎをして
  笑っているママは      一風ごとに
     出産間近    (まあこ) 小波をたてる   (不徳竹)

  「いや実に 楽しい五行歌 今月も 結果届いて 思わずにっこり」
  「人の歌 私の知らない 世界観 なるほど納得 それじゃ私も」
  「駄作ゆえ 講評書くのに 一苦労 察して余る 言い得ていつも」
  「督促の 来る前出そう そういつも 心誓うが 加齢のせいだと」

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