○異常気象の中でも野生の花は咲く
このところの気温の乱高下は明らかに異常気象というもので、全国のあちこちでは4月も半ばというのに雪が降ったり、北海道では瞬間風速30メートルの突風が吹いたりして、自然のいたずらが少々過ぎるようです。これは何も日本だけの問題ではなく、北欧ではアイルランドの火山が爆発して、その噴煙が北欧各地を襲い飛行機の運航に影響、各地で飛行場が閉鎖される騒ぎになっているようです。そのためイギリスやドイツに向かって飛ぶはずの日本からの飛行機直行便も飛ぶことができず、欠航が相次ぎ国際化した人々の暮らしを直撃しているのです。
人々の暮らしに特に気温は大きく影響します。気温が前日より10度も上がったり下がったりすると、着る物に困ります。春が来たと思ってコート類をクリーニングして仕舞い春の衣服に衣替えしたり、ストーブの油を抜いて倉庫に収納したりしたものを、慌てて出し直したりしなければならないのです。
わが家でもこのところ殆ど使わなかった書斎のストーブを、この四・五日早朝には点火して使っています。私の毎年の予定表にはストーブの点け終わりを書いていますが、この10年では最も遅い点火となっているようです。
気温が不安定なため野菜が軒並み高騰しているようです。特にキャベツは普通この時期柔らかい春キャベツが一玉百円前後で安く出回る時期なのに、300円程度も珍しくないようです。後手に回る政府は全農に対し野菜の供給を増やしたり企画外品も出荷するよう農林水産大臣が要請していました。
野菜が高くて農家も小売店も儲けるだろうと野菜の高騰を見て思うのでしょうが、気象の変化が原因で出荷量が減っただけの話なので、農家も小売店も悲鳴を上げているのです。
昨日の夕方の天気予報では、南国四国なのに「霜注意報」が発令されました。春が来たと思い込んで芽を出したり花をつけた植物は、春の気温でないと育たないのです。せっかく結実した梅の実が寒さに凍えてシワシワになったり、せっかく咲いた梨の花も10度以下では活動しないミツバチが飛ばず高配しないようだし、キウイフルーツの芽も寒さで枯れてしまったと農家は嘆いています。梅の産地の和歌山では10億円の被害だと報じられていました。
それでも季節は春に向かって動いていて、わが家の庭や畑の隅に植えられているサツキは早くも色とりどりの花が咲き始めているのです。昨日久しぶりに運動のつもりで裏山を散策しました。このところ雨の日が多く日照不足気味ですが、冬眠から目覚めたカタツムリを見つけました。まt一面に淡い紫色のシャガやアザミの花が春を主張するように咲いていました。野の花ゆえに見る人もなく間もなく散ってゆくのでしょうが、愛らしく咲く草花にはこれまた趣があって、ポケットに忍ばせたデジカメを思わず向けてしまいました。何だかんだといいつつ季節は動いているのです。
「噴煙で 憤慨案じ 空港が 閉鎖するとは 聞いたことなし」
「このところ 気温はまるで エレベーター 野菜高騰 キャベツも悲鳴」
「春が来た 人や植物 思ってた 霜が直撃 大きな被害」
「足元を 見れば季節は 巡ってる 野辺花咲いて 散歩は楽し」