〇残照に赤く染まる本尊山
サンデー毎日の私ですが、やはり年度末と年度初めは色々な公式行事への参加もあって、結構忙しい日々を過ごしましたが、ここに来てやっと落ち着きを取り戻した感じです。それでも新しい年度が始まると、やれ打ち合わせだ、やれ講演だとメールが沢山入って、その対応のため書斎のパソコンに向かう時間が結句長くなりつつあります。
天候不順だった今年の春もこのところ天気が安定して、桜の便りに誘われていますが、こと夕日に関しては中々見る機会に恵まれませんでした。昨日の夕方玄関のチャイムが鳴り、出て見ると新聞屋さんが購読料の集金にやって来ていました。家内が留守だったので急いで財布を取りに戻り3千円を取り出し領収証と引き換えにお金を渡しました。少し世間話をして外へ出て見ると、真っ赤な夕日がしずんでいるであろう時間だったため、家の前に聳える本尊山が、夕日に映えて綺麗に見えました。
先日まで冬枯れの殺風景な風景だった本尊山周辺もいつの間にか山桜が咲き、新芽が一斉に芽吹いて、胎動の季節を迎えており、夕日が照らす姿は何とも穏やかな風情を感じました。双海の夕日も4月に入り西から北上を続けていますが、残念ながらまだ今の時期わが家からは西寄りのため見ることができないのです。それでも見たくて、家の裏に登って見ると、今まさに沈まん夕日が山の端の杉木立の間から神々しく印象的に見えました。これも乙なものだと思いカメラに収めましたが、今日あたり夕日でも見に出かけようかと思いました。
昨日は親類の漁師さんからサメをいただきました。地元の漁師さんがテッポウやノークリと呼ぶ小型のサメは三枚におろして皮を剥ぎ薄造りにすると刺身でも美味しいのです。普通の人は湯ざらしにして酢味噌で食べますが、わが家では刺身と天ぷらにして食べます。魚なら何でも目のない友人に2匹ずつおすそ分けをしました。一緒に貰ったナマコも漁師さんに貰う時教わった通りにレシピを伝授しましたが、さてうまく料理できたかどうか心配です。
退職して6年、時々魚料理をする私の腕も少しずつ上達し、三枚におろしたりする荒料理はもっぱら私の仕事になりました。妻の褒め言葉につられてやっていますが、まあこれも悪くはないと思いつつ、私専用の出刃包丁と刺身包丁を研ぎ澄ましているのです。
「残照に 赤く映えたる 本尊山 季節巡りて 芽吹き活き活き」
「何気なく 一日過ぎる 日々ながら その気になれば 楽しからずや」
「サメさえも 食してしまう 魚好き 海人ゆえの 楽しみありて」
「生き物の 目の輝きに 似た夕日 どこかもののけ 感じて写す」