〇ひじきとワカメで少々お疲れモードです
海岸でひじきを刈り取って大きなお釜で茹で、美味しいひじきを近所や親類に配ったところ、妹から是非ひじきをもう少し分けて欲しい旨の連絡が入りました。おすそ分けを貰った妹は、ひじきを刈り取って茹でる作業がどんなに大変か分かっていないようでした。
ひじきは大潮の干潮時でないと刈り取ることは出来ません。ましてやひじきが生えている岩場は波が打ち寄せる場所なのです。長靴を履いて干潮の渚でひじきを草刈り用の鎌で刈るのですが、目敏い人たちが正月明けから刈り取って、足場のいい場所には殆どないのです。私のとっておきの場所は秘密ですが、これがテトラポットが高く積まれているため、刈り取ったひじきを防波堤近くまで挙げるのが大変なのです。
さて刈り取ってトラックに積んで帰ったひじきを水洗いして、ドラム缶を切って造ったかまどに大きなお釜を乗せ、ひじきを入れて下から火を焚くのです。最近は薪もそんなにストックしていないので、近くの杉林に出かけて薪を拾ってくるのです。ひじきを茹でぬにはざっと2時間くらいまきを燃やし続けなければなりません。その後蓋をして3時間くらい火蒸しをすると柔らかいひじきが出来上がるのです。まあざっとこのくらいの重労働の代償ですから、皆さんも手間のかかるそのことを承知しているので、余り手を出さないのです。
私の場合は子どもの頃から母親のそんな作業をおぼろげながら見ていたので、思いつけば直ぐにでも取り掛かることができるのですが、妹に言われたからといっておいそれとすることは出来ませんでした。
昨日泊まりに来ていた孫たちを松山まで送って帰る途中海岸まで帰ると、8日の潮回りで引き潮だったこともあって、妹の言葉を思い出しひじきを作ることを急に思いつきました。
トラックにキャリーを5つ積み込み、とっておきの海岸へ行きました。昨日は前日海が荒れてワカメが海岸に流れ着いていました。ラッキーなことに少しの時間で綺麗なワカメをキャリーに一杯も拾いました。
ひじきはキャリーに4杯刈り取り家に帰りましたが、ひじきを二回炊くためには日暮れながら昨晩一回炊いた方がいいと思い、夜8時までかかって何とか炊き上げました。火の始末をして一晩蒸していたため朝起きてみると、ひじきは申し分のない柔らかさになっていました。鉄の塊を入れるとひじきの色が良いという言い伝えどおり錆びた鉄筋を入れて炊いたお陰で色も真っ黒でした。
ひじきを取り出したお釜を水荒らして水を張りお湯を沸かしました。次の作業はワカメを湯通しすることです。ワカメはひじきほど手間もかからず、熱湯に入れると茶色が見事緑色に変身します。お湯の温度が下がらない程度に次々入れて作業を終了、親父が張ってくれたタフロープに芯をはずして干して行くのです。今日は天気もよく、加えて風も適当にあって乾きが早く、昼前にはワカメを裏返しするほど乾燥しました。
残ったひじきも3釜目を茹で、午前中に全ての作業を終わりました。何やら煙が出ているので近所のおじさんやおばさんが様子を見にやって来ました。その都度ひじきをおすそ分けしてあげ、皆さんに喜んでもらいました。
ふって沸いたひじきとワカメ騒動に私も親父も少々疲れましたが、これでひじきとワカメは一年分確保し、加えて妹の分まで作ることができたのです。幸せな二日間でした。
「連日の ひじきとワカメ 処理たたり お疲れモード やはり歳だな」
「一年分 ひじきとワカメ 確保した 妻の手料理 これで楽しめ」
「前日の 大荒れ天気 福拾う 漂着ワカメ 思わぬ大漁」
「春ゆえに ひじき知人に おすそ分け みんな一様 喜んでくれ」