〇漬物が美味しく漬かりました
先月の終り頃、90歳になる親父が自宅横の家庭菜園でできた大根を30本余り、綺麗に水で洗い竿にかけて天日に干してくれました。その頃は時ならぬ寒波の襲来で北西の季節風が吹いたため、大根の水分が予想以上に少なくなって、まるで保存用の沢庵みたいになってしまいました。天日に長く干せば保存は利くのですが歯応えがしっかりし過ぎて、多分歯の弱った人間には噛めないだろうと思っていました。
2~3日前、妻が風邪をひいたためお粥の添え物に出してやろうと思い、糠味噌ならぬ漬物臭さが手に付くのを承知で、漬物樽に手を入れ一抜き気出してみました。最近は糠と塩を調合した漬物用の糠が出回っていて重石の重さも手伝い適当に水も上がって程よく漬かっているようでした。
沢庵のイメージとは市販の黄色い色粉で着色した歯切れの良い、甘みの強いものだと思っていますが、家で漬け込んだ沢庵は着色もなく白い色で、見栄えはそんなに良くありません。取りだした沢庵を水洗いしてまな板の上に乗せて包丁で輪切りにすると、何ともいえないほのかな沢庵漬けの香りが漂ってきました。行儀が悪いと思いながら一切れ口にほうばりました。歯応えのある沢庵は塩加減も丁度良く、早速漬物を小鉢に盛って妻に食べさせましたが、漬物の好きな妻は「美味しい」といってお粥と一緒に食べてくれました。
漬物の漬け方も知らなかった私が今年は、忙しい妻の手助けをしようと、親父の干してくれた大根を取り込み、葉っぱを落として洗った樽の中に並べたり糠を振りかけたり、中蓋の上に重しを載せたりとかなりの仕事量をこなしました。お陰で漬物の漬け方を妻から学びました。
もう直ぐ本格的な冬の寒さがわが家にもやってきます。沢庵漬けの練習も積みましたので、今年は本格的な漬け込みを自分の手でやってみようと思っています。すでに大根も手ごろな大きさに育っていて、正月までには大根を引き抜いて洗い、天日干しにしなければなりません。そのために干し柿を作るとき捨てずに残しておいた柿の皮(天日干し)と家の庭にあるくちなしの実を天然着色料にしたいと思っています。
これまで何もしなかった私ですが、今年は色々なことに挑戦した一年でした。人間牧場の梅林から収穫した梅で梅酒も大量に醸造しました。また梅干しも程よく漬かり蔵の中で出番を待っています。苦渋菜やフキの佃煮も上手く出来て冬のお茶受けとして冷凍庫にちゃんとしまっています。今年やり残しているのは、梅酒に付け込んだ梅の実を取り出してジャムに仕上げることです。多分わが家で夫婦が一年中パンにつけて食べるくらいのジャムはできそうだと、想いを巡らせています。
来年はいよいよ人間牧場に計画している釜戸小屋の建設もしなければなりません。資金繰りも今年一年の調達で何とかなる目途がつきました。釜戸小屋でこれらの加工品を作ってみんなに差し上げる日もそんなに遠くはないと、沢庵を食べながらまたよからぬ夢を膨らませているのです。
「沢庵を 自分で作り 味見する 美味いだろうが 自慢タラタラ」
「沢庵を 初めて作り この次は もっと上手に 心に誓う」
「色付けぬ 素顔のままの 沢庵を お茶受けにして 夫婦語らう」
「できるじゃん 妻が私を 認め言う さて困ったぞ 次期待され」