shin-1さんの日記

○鳥取県佐治村への旅・その②

 旧佐治村には5つの自慢があります。一番金をかけ、一番期待が大きく、一番人が沢山やってくるのは星を目当ての人でしょう。年間2万人を超える人が、この山里の望遠鏡を通して宇宙空間に向かってメッセージを送り続けているのです。この日私は山口さんの案内で天文台にお邪魔しました。田中係長さんや職員の案内でさじアストロパークと名前の付いた天文台で興味深い話をたくさん聞きました。愛媛県旧岩城村からやってきて学芸員として働いている宮本さんにもお会いしましたが、夕日=太陽を地域資源にまちづくりをしている私としては大いに興味のある場所でした。まるで未来の地球村のような雰囲気はとても素敵でした。

若松進一ブログ
若松進一ブログ(職員さんが作ったというアポロが月面に行った時の記念すべき足跡は興味をそそりました)

 2番目の自慢は特産品の梨です。ご承知のとおり鳥取は20世紀梨の産地ですが、天文台近くの丘陵地にはたくさんの梨畑がありました。春の梨の花の頃は見事だろうと思ったものです。今は20世紀梨に代わって新しい品種も導入されているようですが、いかんせん農家の高齢化と過疎化によってご多分に漏れず担い手不足は深刻なようです。

 それでもみなさんは頑張って梨シャーベットや梨飴などを作って売りだしていて、私もいただき帰りの列車の中でなめてみましたが中々の味でした。


 3番目の自慢は佐治谷ばなしという村に伝わる昔話です。私的にはこの物語は村おこしには欠かせないものだと思っています。落伍をしていることもあって、山口さんから頂いた佐治谷ばなしという民話集を帰るまでの列車の中で全部読んでしまいました。方言で書かれているため読むのに時間がかかりましたが結構楽しいもので、愛媛南予に残るトッxポ話とよく似た表現でした。村には佐治話の拠点となる大きなかやぶき屋根の民家が移築されていて、この家のいろり端でユーモアあふれる話を聞いたらどんなに楽しかろうと思いを巡らせました。この民話は、日本昔話で有名な人も1枚加わってCDにもなっているようです。

若松進一ブログ(どっしりとした家構えの佐治民話の館)

 さてさて、私の本題の目的はさじミラクルの会が主催する講演会です。私に与えられたテーマは「元気の出る話」です。与えられた時間は2時間、まるで早打ち鉄砲のように喋りまくりました。最初は私も観客も少し行儀よくしていましたが、そのうち私の方言に誘われてみんな大受けで笑い転げながら話を聞いてくれました。印象的だったのは、講演の最後にあるお年寄りが、「若松さんパワーをください」と歩み寄ってくれたことです。その手のぬくもりは今も忘れることのできないジーンと心を熱くした思い出です。寒い中集まっていただいた皆さんありがとう。またいつかどこかでお会いしましょう。

若松進一ブログ(講演が終わった団らんのひと時、いわば使用前でなく使用後です)

  「気に入って 思わず俺も ハーモニカ 台本にない サービス精神」

  「相当な 聞き耳持った 集まりに こちら思わず 熱入れ話す」

  「山里の 村の人口 少ないが 一人二馬力 四千馬力」

  「熱心に メモ取る人は どなたかと 尋ねてみれば 元の村長」 

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shin-1さんの日記

○鳥取市佐治町への旅・その①

「今日は粉雪舞い散る鳥取県へ旅に出ます」。こんな書き置きをブログに残して昨日は朝4時半に起き5時に自家用車で松山駅へ向かいました。冬至を間近に控えたこの頃は一年中で夜が一番長いため、毎日寝ているつもりなのですが、相変わらず私は夜12時に寝て朝4時に起きる就寝時間4時間型なので、こんなに朝が早くても普通の生活パターンなのです。

 松山駅に到着したのは5時40分過ぎでした。駅の前の駐車場に車を止め駅舎の切符売場に行きました。そして岡山経由で智頭までの往復切符を買いました。こうすれば駅前のキスケ駐車場の駐車料が24時間無料となるサービスを受けられるのです。切符を買って早速兆社場へ車を入れました。出てきた駐車券を再び切符売場の駅員さんに見せ認印と無料券といただき万全の準備で、少し早目に一番の特急列車しおかぜに乗り込みました。

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 暗闇の中を出発した特急は早朝の伊予路を走り、左手に瀬戸内、右手には昨日までの寒波で冠雪した石鎚山系を遠望しながら、本を読みふけっていると、あっという間に瀬戸大橋を渡りました。昨日までの大荒れの天気が全く嘘のように晴れ上がり、旅には絶好の日和となりました。朝が早かったり夜が遅かったりするような今回の旅は最初自家用車を使う予定でしたが、鳥取の福田京子女史から鳥取への峠道は雪があるかも知れないと忠告のメールが入っていたので、思い切って公共交通機関にしたのです。

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 岡山を出た特急スーパーいなばは途中の上郡でスイッチバックする日本でも珍しい路線であることを承知していたので、あらかじめ朝日の当たる方向に座っていたため、座席を回転させても強い日差しの難を逃れ、快適な列車の旅となりました。沿線は山の中だけあって放射冷却の影響でしょうか、まるで雪が降ったように一面白い霜が降りていて、田んぼの残り水はカチカチに凍っていました。

 今回の担当者である鳥取市職員山口さんの指示だと、智頭が一番近いので駅まで迎えに行くからと一報が入っていたので、指示通り10時30分に智頭駅に降り立ち山口さんの出迎えを受けました。途中通った智頭の家並も何年か前妻と二人で訪ねたことがあって、どこか懐かしい感じがしました。


 今回訪ねるのは今は鳥取市と合併している旧佐治村です。今は鳥取市佐治町となっていますが、人口2000人の長閑な山村は、星・梨・話・和紙・石と最後に「し」のつく「五し」を地域資源にして地域づくりをしている面白い町なのです。多分一度岡山県側から辰巳峠を越えてこの村を通った経験があるのですが、いつ頃だったか思い出せないのです。

 午後2時からの会合には間があるので、辰巳峠まで案内していただきました。前日からの厳しい寒さで峠付近には積雪が見られ、栃の木の原生林は見応えがありました。

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 すっかり葉を落とした山の木々が一層寒さをかんじさせまいた。途中山王谷キャンプ場を見学しましたが、春夏秋のシーズンは終わってひっそりとして冬の眠りについているようでした。どもどこか懐かしい雰囲気で、一辺でこの街が好きになりました。いつの日かまた訪ねてみたい町でした。

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  「栃の実の 何処か懐かし 餅を食う おふくろ今は 何処におわすか」

  「山奥は 静まり返って ひっそりと 白雪被り じっと春待つ」

  「音もなく 静か舞い降る 交ぢり雪 足元濡らし いつか消えゆく」

  「陰と陽  分け隔てたる 峠道 超えた昔の 記憶帰らず」 


 


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