○鳥取市佐治町への旅・その①
「今日は粉雪舞い散る鳥取県へ旅に出ます」。こんな書き置きをブログに残して昨日は朝4時半に起き5時に自家用車で松山駅へ向かいました。冬至を間近に控えたこの頃は一年中で夜が一番長いため、毎日寝ているつもりなのですが、相変わらず私は夜12時に寝て朝4時に起きる就寝時間4時間型なので、こんなに朝が早くても普通の生活パターンなのです。
松山駅に到着したのは5時40分過ぎでした。駅の前の駐車場に車を止め駅舎の切符売場に行きました。そして岡山経由で智頭までの往復切符を買いました。こうすれば駅前のキスケ駐車場の駐車料が24時間無料となるサービスを受けられるのです。切符を買って早速兆社場へ車を入れました。出てきた駐車券を再び切符売場の駅員さんに見せ認印と無料券といただき万全の準備で、少し早目に一番の特急列車しおかぜに乗り込みました。
暗闇の中を出発した特急は早朝の伊予路を走り、左手に瀬戸内、右手には昨日までの寒波で冠雪した石鎚山系を遠望しながら、本を読みふけっていると、あっという間に瀬戸大橋を渡りました。昨日までの大荒れの天気が全く嘘のように晴れ上がり、旅には絶好の日和となりました。朝が早かったり夜が遅かったりするような今回の旅は最初自家用車を使う予定でしたが、鳥取の福田京子女史から鳥取への峠道は雪があるかも知れないと忠告のメールが入っていたので、思い切って公共交通機関にしたのです。
岡山を出た特急スーパーいなばは途中の上郡でスイッチバックする日本でも珍しい路線であることを承知していたので、あらかじめ朝日の当たる方向に座っていたため、座席を回転させても強い日差しの難を逃れ、快適な列車の旅となりました。沿線は山の中だけあって放射冷却の影響でしょうか、まるで雪が降ったように一面白い霜が降りていて、田んぼの残り水はカチカチに凍っていました。
今回の担当者である鳥取市職員山口さんの指示だと、智頭が一番近いので駅まで迎えに行くからと一報が入っていたので、指示通り10時30分に智頭駅に降り立ち山口さんの出迎えを受けました。途中通った智頭の家並も何年か前妻と二人で訪ねたことがあって、どこか懐かしい感じがしました。
今回訪ねるのは今は鳥取市と合併している旧佐治村です。今は鳥取市佐治町となっていますが、人口2000人の長閑な山村は、星・梨・話・和紙・石と最後に「し」のつく「五し」を地域資源にして地域づくりをしている面白い町なのです。多分一度岡山県側から辰巳峠を越えてこの村を通った経験があるのですが、いつ頃だったか思い出せないのです。
午後2時からの会合には間があるので、辰巳峠まで案内していただきました。前日からの厳しい寒さで峠付近には積雪が見られ、栃の木の原生林は見応えがありました。
すっかり葉を落とした山の木々が一層寒さをかんじさせまいた。途中山王谷キャンプ場を見学しましたが、春夏秋のシーズンは終わってひっそりとして冬の眠りについているようでした。どもどこか懐かしい雰囲気で、一辺でこの街が好きになりました。いつの日かまた訪ねてみたい町でした。
「栃の実の 何処か懐かし 餅を食う おふくろ今は 何処におわすか」
「山奥は 静まり返って ひっそりと 白雪被り じっと春待つ」
「音もなく 静か舞い降る 交ぢり雪 足元濡らし いつか消えゆく」
「陰と陽 分け隔てたる 峠道 超えた昔の 記憶帰らず」