○久しぶりに東京を歩きました
友人の息子さんの結婚式に招かれ、東京日帰りの旅に出ました。松山空港を午前8時10分定刻に出発した飛行機は羽田空港にほぼ予定どおり約1時間10分の所要時間で到着、普通は羽田~浜松間をモノレールで移動するのですが、昨日は京急で品川まで出て、品川、秋葉原で乗り換え飯田橋まで行きました。この日の東京は木枯らしが吹いて寒い一日でしたが、妻の忠告通り少し厚着をして出かけたため寒さも何のそのといった感じです。飛行機に乗る人、電車に乗る人、道行く人全てがもう冬の装いで、周りに木々の葉っぱも私の上京を祝うかのように威勢良く風に舞って落ちていました。明日から師走なので街のあちこちにはクリスマス商戦のイルミネーションが飾られていますが、残念ながら昼間なので電飾の色も分からずといったところでした。
時間があるので飯田橋駅から結婚式の会場まで行く秋を惜しむように歩いてみました。途中で本屋さんに立ち寄ったり、何気なくお店に立ち寄ったりしながらのぶらり歩きでしたが、意外な所に意外な物が売られていて、近くだったら買うのにと思ったほどでした。
結婚式は想像どおり約2時間半で終わりました。出席していた友人や知人と別れ再び羽田空港まで行かねばならないのですが、出発便は午後7時15分の最終便なので、これまた時間があるため、ホテルから飯田橋とはまったきう逆方向の水道橋に向かって歩こうと思いましたが、路上に点々とある看板地図を見ながら歩いていると九段坂まで出ました。折角だからもう何年も前にしか行ったことのない靖国神社に参拝することにしました。これが中国や韓国との関係をいつもぎくしゃくさせる靖国神社かと思いつつ、イチョウ並木の参道を歩きました。そこでちょっとした珍しい光景を目にしました。進軍ラッパを吹きながら行進する兵隊、模造銃を抱えて行進する兵隊の二人でした。観光客や外国人は物珍しそうにその姿の近くに集まり写真に収めていましたが、一瞬戦時中を連想するような気持になり、靖国神社ならではの光景に心が動きました。
戦争については色々あるし靖国神社についても異論の別れるところでしょうが、戦禍に散った人たちに敬謙な祈りを捧げることは日本人として当然のことなので、深々と頭を下げて祈りました。
さあそれから坂下門~千鳥ヶ淵~半蔵門~桜田門と荷物を殆ど持たないことをよいことに歩いて歩いて歩きました。国立劇場、最高裁判所、国会議事堂などを横目で見ながら自分の健脚を確かめました。昨日一日で携帯電話が示す万歩計は1万7千歩も歩いていました。夕闇迫る日曜日の東京の素顔を足早に歩きながら散策しましたが、これまたおつな旅でした。日本の中枢といわれるこの界隈ではまた明日から様々なドラマが生まれては消えることでしょう。
桜田門から地下鉄ですぐ隣の有楽町に出て、山手線で品川~羽田~松山と再び空の旅を終えて故郷愛媛・伊予市・双海町へ帰って来ました。結婚披露宴とはいいながらぶらり旅を満喫して少し鋭気を養いました。本当はせっかくの東京を友人のように一泊でもしてのんびりすれば良かったのでしょうが、今日は大学の授業もあるしそれも叶わずの日帰りになりました。今度東京へ行くのは年明けてになりそうです。さらば2008年の東京でした。
「久方の 東京ぶらり 一人旅 行くあてなしに ぶらぶら歩く」
「靖国の 社彩る 並木路 舞い散る紅葉 何処か寂しく」
「参道を 進軍ラッパ 吹きながら 行進するは 兵隊さんか?」
「この国の 進路を決める 中枢も サンデー故に そぶりも見えず」