○思えば遠くへ来たもんだ
新宿西口人に会い、東京経由の目的を果たしたので、4番線から新宿ラインに乗って大宮まで出て11時22分発の秋田新幹線こまちに乗り込みました。今日は移動日なので急ぐ旅でもなくのんびりと東北の景色を眺めながら行こうと決め込み、駅弁とお茶を買って乗り込みました。今日は天気もよく車窓に流れる景色もどことなく早春の雰囲気が漂っていました。この季節、乗り込んだ人それぞれにどんな目的があるのか知りませんが、列車は満席でした。私のような気楽な一人旅はいないのでしょうが、みんな列車に備え付けの雑誌に目を通したり弁当を食べながら思い思いに過ごしていました。雑誌には東北の新幹線に沿線の旅の見所や食べ物が紹介されていましたが、この日の雑誌の特集は奥州平泉の藤原三代についての記事でした。雪のないころなら平泉へも立ち寄りたいのですが、このところの寒波で少し交通事情が悪いため、いきなり秋田へ乗り込むことにしたのです。
東北本線の駅の数は秋田までざっと数えただけでも150を越えます。新幹線はその駅を位置も簡単に飛び越えて、秋田まで僅か3時間半の旅なのです。今更ながらに便利さにはただただ驚くばかりです。
明日の会議は秋田県能代市です、ここから更に特急に乗って北を目指さなければならないのですが、行き当たりばったりの旅を楽しむ私としては、今晩は秋田に泊まり、きりたんぽやハタハタも食べてみたいと思い。駅前からアクセスされている東横インを選びました。東横は全国どこへ行ってもロビーにパソコンが置いてあって、3日間も留守をして書き込みができていないブログを書くことができる魅力があるのです。しかし欠点はロビーにパソコンが2台しかないため、時々私のように長い時間占有している人がいると、利用できないのです。
今日はチックインの4時までにはまだ間があるため、私以外使う人もなくラッキーとばかりに秋田発のブログを打っているのです。一番最初沖縄に行った折、ブログを打とうとして、自分のアドレスが開かず娘に電話をした初歩のころの苦労も今はなく簡単にメールを開いてブログを打てるのですから、アナログ人間を自称する私としては偉い進歩なのです。
秋田はえらい雪です。東北の山脈を越えると車窓の景色は一変し一面の雪化粧でしたが、秋田市内は思ったほど雪の量はなく、明日の飛行機便は飛ぶだろうと安心しているのです。
旅の途中だというのに私の携帯電話には相変わらず様々な人から電話が入ってきます。講演依頼や打ち合わせ、それに音信とまあ尋常に居眠りしながら列車の旅を楽しむ余裕はないのです。ポケットのバイブレーションが響く度に列車の出入り口まで走り対応するのですが、隣の席の人に迷惑をかけないようにしても窓際に座っていればその都度席を空けてもらわなければならず中々厄介なものです。
隣に乗った方は51歳になったのを機にJR旅の会員になったので有給休暇を利用して1週間のんびり旅をするという、何とも羨ましい人でした。私の話を聞いて羨ましい生き方だとお世辞を言ってくれました。縁もゆかりもない人とこうして話ができるのもいいものです。今晩はお互い秋田泊まりなので「どうです一杯」と誘われましたが、酒も飲めない私としては、丁重にお断らした次第です。
旅に出ると私の体のことが気になるのか、妻から朝、昼、晩と電話がかかってきます。今夕も秋田に着いたことを見透かしたように夕方4時電話がかかってきました。「亭主元気で留守がいい」はずなのに・・・・。
「旅つなぎ 遠い秋田へ 一人旅 ここは雪だと 妻に電話を」
「この地さえ 知り人多く ホテルまで 会いに来てくれ 感謝感激」
「雪のなき 国に暮らせる 幸せを 除雪の人を 横目見ながら」
「便利だね こんな遠くで ブログ書く 旅のつれづれ 文字にしたため」