shin-1さんの日記

○若干29歳でも人を動かした教育者

 今の日本は高齢化社会を反映して63歳の私でもまだ若いと自負できるほど高齢者が沢山います。100歳なんて遠い遠い夢物語と思っていたのに、ある統計によると愛媛県内にだけでも650人もの100歳以上の人がいるというから驚きです。長寿社会を揶揄するつもりはさらさらありませんが、高齢化社会になると若者の影が次第に薄くなっていることに気付くのです。社会も人口ピラミッドは逆三角形だし、職場だって管理職の数の方が多いのではと錯覚するほどです。ましてや60歳という定年で退職しても天下って居座り続ける公務員社会などはその典型で、若者はいつまで経ってもその使い走りに甘んじなければならないのです。高齢化の進んだ限界集落などでは、50歳になってもその集落で一番若い?なんて事例はいっぱいあるのです。

 高齢者の社会進出は結構なことなのですが、若者の出番を削いでいる事を思うと、どこかで身を引く事を考えなければいつまでたっても若者の出番は来ないのです。私の親類に父親が若くして亡くなった従兄弟がいます。その時は可哀想に見えて何かと面倒をみてやりましたが、ふと気がつくとその従兄弟はいつの間にかすっかり逞しくなって、90歳になっても親父が生きている私のような人間より、凄い社会人になっているのですから不思議な話です。誤解しないで欲しいのですが、何も親父に「もうそろそろ」と言っているのではありません。上がいなくなると人は成長するという道理なのです。

 私が最も敬愛する歴史上の人物に、松下村塾で80名余りの人を教育し、二人の総理大臣を輩出した吉田松陰がいます。松蔭は長州萩に生まれた武士ですが、私塾松下村塾を開きました。その開塾期間が僅か13ヶ月間であったことや、安政の大獄で処刑されたのが29歳の若さだったことは余り知られていないようです。いくら風雲急を告げる幕末といっても、これほど短い期間に、そしてこれほど若くして名を残した人は後にも先にもいないのではないかと思うのです。折に触れ松蔭に関する書物を読み、松蔭の掛け軸を掛け、その生き方を学ぼうとするのですが、凡人の私にはその偉さを学び体得することは難しいのです。

 ある本に松蔭の教育法六原則が分りやすく解説していました。

 ①自信を持たせる。

 ②使命達成法を教える。

 ③至誠で生きる大切さを教える。

 ④勇気を持たせる。

 ⑤プラス発想。

 ⑥約束を守る。

 松蔭がまず塾生に強く語ったのは「志を立てて万物の源となせ」という志を立てさせることでした。

 時代背景や対象となる人間の純粋さを差し引いても、若干29歳の若者にこんな説得力があるのかどうか、今でも不思議な思いがしてならないのです。わが家の座敷に掛け軸として掛けてある吉田松陰の絵姿を見ると、「これが29歳の姿?」とはとても思えず、凝縮して成熟した人間の姿に深い感動を覚えるのです。

 人の偉さは年齢ではありません。松蔭が語った志を立ててそれを源にして動けば心若く生きれるのです。63歳の私にはもう松蔭のような若さは臨むべきもありませんが、松蔭の倍も生きている年齢を考えれば、もっと思慮深い人間になれるはずだと考えられるのです。

 承引の時代からすればはるかに恵まれて豊かな、そして学ぼうと思えば学べる現代に生きる私たちは初心に立ち返りもっと強く生きねばならないのです。

  「松蔭は 僅か二十九 その歳で 人を導き 今も輝き」

  「もめ事の 多き社会を 垣間見る 国会中継 国民不在」

  「昔人の 生き方忍び ブログ書く こんな時代を 誰が予測か」

  「志 立てて生きよと 教えられ 立てたつもりが 見事倒れて」 

 


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shin-1さんの日記

○持続可能な観光と地域づくりを考えるフォーラムin伊予市

 「いーよぐるっと88」という伊予市観光協会が発刊したガイドブックの発刊を記念したフォーラムが昨日、伊予商工会議所3階でありました。出版物の中身は157ページオールカラーの豪華さながら、僅か500円という価格設定もあって、3千部印刷したというのに売れ行きも好調だそうです。昨日はその編集に携わった方々の話、伊予市歴史街道というスライド、伊予市役所の観光行政の話、観光立国と地域観光」と題した基調講演、それにテーマに沿ったパネルディスカッションと中々盛り沢山な話がちりばめられ、短い時間ながら濃密なプログラムでした。

(開会挨拶をする伊予市観光協会副会長の西岡義雄さん)

 松山大学経済学部教授鈴木茂先生の話は、観光を巡る時代背景や日本の観光、愛媛の観光、地域の観光の現状を数字で示し、地域づくりと観光産業のつながりを話されました。伊予市観光の現状や将来像についても、広域観光などについても示唆されました。

 伊予地区を担当した松田建雄さん、中山地区を担当した下岡和夫さん、双海地区を担当した中嶋都貞さんの話は、私たちの視点とはまったく違った長年積み重ねてきた歴史の重みを感じさせるもので、とても参考になる話でしたが、残念かな与えられたそれぞれ10分の持ち時間では語りつくせぬ内容で、いつか深い内容の続きを口述して欲しいものです。

 市役所産業経済課の米湊さんの話は、振興計画における観光についての話でした。広報で読む市長の市政方針演説や議会広報で読む議会でのやり取りから垣間見れる観光についての断片的な話でなく、じかに聞くはなしなので興味をそそりましたが、担当者として突っ込みきれない苦悩も覗かせました。

 えひめ地域づくり研究会議事務局長の岡崎さんの話はスライドを使って旧市町の珍しいものを様々なジャンルに分けて紹介してくれました。彼は街並みウォッチャーとしての経験も充分で、その腕に磨きを掛けた切り口と話術に引き込まれて行くようでした。

(82人も集まった参加者)

 その後伊予市文化協会長門田眞一さんをコーディネータにしてパネルディスカッションが行われました。私もパネラーとして登壇、請われるまま15分余り「双海町の夕日によるまちづくりの経験」を振り返って話しました。私はアドリブで話すため、場内に集まった参加者の爆笑を誘いましたが、いかんせん時間が押して議論のまでは至りませんでした。

 私は今回の「いーよぐるっと88」のもたらした効果は、①合併はデメリットが多いと言われ閉塞感があるが、行政と民間の協働という最大のメリットが発揮できたこと、②知らないし知ってるつもりの観光資源が発見や再発見できたこと、③発刊にかかわった高齢者の知的エネルギーを活用できたこと、④新しい観光への可能性が出てきたこと、⑤伊予市という地域の観光情報が内外に発信できたことなどの効果についても述べておきました。

 その上で、既存施設や既存イベントの役割の見直しを行い、地域住民が地域づくりという手法で深く関わらなければ観光はうまくいかないのではないと話しました。

 合併して3年が過ぎようとしています。今年は市内に3つある観光協会が合併するそうですが、これが革命なのか改革なのか、方法や手段を間違うとこれまで培ってきたそれぞれの個性ある特徴を消してしまう危険性もはらんでいるようです。

(加藤徹さんがプレゼントしてくれたミニチュア電光掲示板のPRをさせてもらいましたが、何とこれがネクタイにもくっつくという新しい発見をしました。贈った本人も驚き喜んでくれました)

 会議終了後、運営委員会を終えてその夜は楽しい交流会が居酒屋で行われました。伊予市で飲むことの少ない私たちにとってもいい交流の場所となりました。

  「観光は 国の光を 見るという ネクタイ光り まさに観光」

  「先輩の 話を聞いて 俺達も やがてはあんな 喋りを予測」

  「油売る 人が司会を しましたが 私もつられ 油売りつつ」

  「嬉しいね 勉強会に 議員さん 市役所若手 顔を揃えて」 

 

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