○夢実現のサイクルを因数分解する
人にはそれぞれ多かれ少なかれ夢があります。巨人・大鵬・玉子焼きという時代に育った私たちは、果たせぬ夢とは知りながら巨人や大鵬に憧れ、いずれ夢を掴もうとその夢を実現するため、様々な事を考えそれを言葉や文字に表したり行動しながら夢を勝ち得ようと努力してきました。しかしその夢は余りにも大き過ぎて結果は見果てぬ夢となり、気が付けば社会の片隅にひっそりと生き、気が付けば余命いくばくもない生涯のたそがれ期を細々と生きているのです。夢にはこのように夢で終わってしまう大きな夢もあれば、ささやかな小さな夢であっても実現した夢もあるのです。私はそのささやかな小さな夢の実現について数字で考えてみました。
10パワーの大きな夢があると仮定します。この夢を実現するために5回の継続・反復努力をしたとします。その成果を数字に置き換えると10×5=50となります。もう一つは1パワーのささやかな夢を仮定しましょう。この夢を実現するため365回の継続・反復努力をしたとします。その成果を数字に置き換えると1×365=365となります。その比較は10×5<1×365となります。数字や数学に弱い私ですが、この数式はまちづくりにかかわって行動する時いつも頭に入れて行動してきました。
私にとって自分で自分を褒めてあげたい実践事例が三つあります。その一つはシーサード公園の掃除です。朝五時から8時までの役場に出勤する前の短い時間を選んで毎日3時間、12年間もの長い間砂浜やミニ水族館水槽の掃除をしました。県外に出るひもあったりしたものですから、365日全てではありませんでしたが、年間330日くらいは掃除をしました。私の12年間の仕事量は3時間×330日×12年ですから11880時間となります。仮に安く見積もって時給700円と仮定すると驚くなかれ8316千円となるのです。手前味噌な話ですが、これだけの換算金額を奉仕した人はうちの町の役場には余りいないのではないかと自負し、誇りにさえ思っています。
二つ目はハガキです。広島の半田さんの感化を受けてハガキを書いています。一日3枚ですがもう20年も続いています。これを数字に置き換えると3枚×365日×20年=21900枚となります。凄い数字です。その殆どは夕日をあしらったハガキでしたが、デジタル万能な時代に乗り遅れたようなアナログな情報伝達手段ながら、今もハガキを書き続けています。ちなみに21900枚に切手やハガキ代42円~50円(ここでは中間を取って45円とします)を乗じると3×365×20×45=9855百円となるのです。これも手前味噌な話ですがこれだけの換算金額を自前で自分の町を宣伝した人はうちの役場には余りいないのではないかと思うのです。
三つ目はブログです。丁度2年前の9月にに始めたブログも2年になりました。パソコンに弱い人間を自負している私には自信もなく始めた習慣です。とりあえず2年間毎日書こうと思いました。残念ながら県外へ出ている時にはパソコンが使えず書けない日がありますが、それでも毎日2本程度のブログをかけるまでに成長しました。一日2本×300日でも一年600本、つまり2×300×2=1200ページもの文字文章ががストックされた事になるから驚きです。
もう一つこの数式が当てはまるのはまちづくりの現場です。少し悪い表現ですがまちづくりは「1人の気違いと10人の馬鹿」がいれば何とかなるといわれています。しかし10パワーの人が5人いるよりもたとえ1パワーでも365人いる方が、まちづくりの計算上は上手くいくのです。まちづくりの世界では人づくりやリーダー養成が持てはやされていますが、そうした特別な人に依存し過ぎた結果、かつての繁栄の姿は見る影もないという現場をよく見かけます。地域住民がしっかりと大地に根を下ろして長続きしてこそのまちづくりです。この場合も10×5<1×365の計算が成り立つのです。
「数字など 弱い私が 掛け算で 説明するは 自殺行為だ」
「コツコツと ただコツコツと 積み重ね 年数経つと えらい数字に」
「洪水を 起こす大雨 基たどりゃ 一滴の雨 なるほどなるほど」
「夢などは かなわぬものと みな思う 小さな事を やれば出来るぜ」